<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女
年齢:44
プロフィール:結婚19年目の主婦。家族は夫、子ども2人。夫の実家で義父母と半同居生活をしている。
先日、情報番組で「ストーカー犯罪」の報道を見ていたとき、主人(47歳)との出会いを思い出しました。
出会った当時、私はOLで毎朝同じ時間の電車、同じ車両で通勤していました。
ある日、何となく視線を感じそちらを見ると、背の高い男性と目が合ったのです。
その日は偶然だと思っていましたが、それから毎日その男性の視線が自分に向けられていることに気付きました。
注意深く観察していると、その男性は私が乗った2駅後から電車に乗ってくることが分かりました。
私が乗る車両を変えてみると、翌々日にはその男性が再び私と同じ車両に乗り込んできます。
そんなことを何度か繰り返しているうちに、私はその男性を怖いと思うようになりました。
同僚のA子(24歳)に相談したところ、A子から車両ではなく電車を変えることを勧められ、男性と会わないようにするため、出勤時間を30分早めることにしました。
案の定、男性は乗り込んで来なくなりましたが、しばらくの間は男性が乗り込んでくる駅で、男性が乗ってこないかを警戒していました。
1週間ほど経ち、警戒心が薄れてきた頃です。
男性が乗り込んできたのが見え、私は愕然としました。
男性に気付かれないように体の向きを変えようとしましたが、満員電車で身動きが取れず、気付かれてしまったのです。
さらに次の駅で人の出入りに紛れて、男性が私ににじり寄ってくるではありませんか。
私は恐怖で身構え、男性の顔を見ないように俯きました。
すると、男性が小声で話しかけてきたのです。
「すみません。怪しい者ではないので話だけ聞いてください」
まさか声をかけられるとは思っていなかった私。
予想外の展開に驚いて顔を上げて男性の方を見ると、男性は言葉を続けました。
「多分、あなたは僕のことを怖がっていると思うのですが...」
男性が何かを伝えようとしているのは分かりましたが、私は自分が下車する駅に到着したため、その後の男性の言葉は聞くことができませんでした。
以前から相談していた同僚A子に男性から話しかけられたことを話すと、A子から意外な言葉が飛び出しました。
「それ変質者じゃなくて、あなたに気があるからナンパしたいんじゃないの」
確かにと思った私は、よく見れば爽やかな雰囲気だった男性から逃げ出したことを少し後悔しました。
その夜、自宅の最寄駅の改札を出ようとすると、朝の男性がいたのです。
「やっぱり変質者かも」と怖くなり、私は走り出しました。
すると、私を追いかけながら男性が必死で声を掛けてきました。
「待ってください! 怪しい者ではないので、逃げないでください。朝の電車で君を見かけて、一目惚れしたんです。俺と結婚前提に付き合ってくださいー!」
走りながら叫ぶ男性に驚いて私が足を止め振り向くと、大真面目な顔をした男性が、改めて私に告白しました。
「俺、本気なんで。とりあえず友だちになってください」
このときの男性が今の主人です。
主人が26歳、私が24歳の時の出会いとプロポーズの思い出です。
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