20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。今回のエピソードは、コロナ禍で気づいた、お金を使うことで得られる豊かさもあるけれど、使わなくても幸せを感じられる豊かさが身の回りにあるということ。
前回の記事:「コロナかもしれんわ」友人とのランチの矢先に息子から電話が...
去年の春、これからやっと大好きな季節の到来!と思っていたのにコロナで緊急事態宣言。
そのころは、何がなんだか分からずにずっと引きこもっていました。
ほんとうに、耐えた!
やっと宣言が解除されたときには、感染対策をしながら旅に出たり、友人とランチや飲みに行ったり、映画をみたりなど休日を楽しむ機会も増えました。
でもそんななかで、コロナ前とは違う楽しみも見つけました。
お金を使うことで得られる豊さもあるけれど、それはお金を使わなくても十分に幸せを感じられること。
家から出ない日が続くと、毎日のように通っていたスーパーへ行くことも面倒になってきました。
これまで使うことがなかった食材宅配を利用してみたら、これがとても便利。
全国の農家さんと契約した旬の野菜が段ボール箱に詰められ、10種類が週1度届けられます。
毎回1つは生まれて初めてみる野菜が入っています。
どうやって調理するんだろう?美味しい食べ方はなんだろう?と検索をすると、色々と調理法が表示されて、これは!というものを探しては実際に作ってみる。
たったこれだけのことですが、主婦歴30年のマンネリの台所がまるで理科の実験室のよう。
「わぁ、湯がいたら、汁が赤く染まった~」
「なに~このサツマイモ! 焼いただけなのにクリームみたい!」
などなど、脳が刺激されます。
スーパーに行く日が激減して、お金を使わないNO BUY DAYがめちゃめちゃ増えました。
また、私は京都の風景が大好きで時間を作っては出かけていたのですが、それも昨年からはままなりません。
でも気づいたことがあるのです。
ご近所には京都のように心が動く風景がない...と思っていたのは、自分でそう決めこんで見てなかったからだと。
ないのではなく、探してすらなかった。
いつもの愛犬との散歩コースだって、アンテナを張って歩いていると、これまで気が付かなかった素敵な風景に出会えました。
ジョギングコースになるような大きな公園では、四季折々の花が植えられていました。
私はバラが大好きです。
公園の隅に何種類ものバラを発見したときの嬉しさったら。
バラ園に行かずともここでひそかに。
冬の枯れた木立だって夕焼けに照らされると風景画のように美しいと知りました。
どこかに出かけなくても十分に楽しめる。
そして、なんたって無料。
自宅の小さな花壇は、無料のお花屋さんです。
手入れが行き届いてないから、草花が勝手に生え、それも多年草。
毎年同じ時期に同じ場所で花を咲かせてくれます。
それを少しずつ切っては花瓶に挿す。
売ってないからこその贅沢。
1か月くらいは楽しめます。
改めて近所の公園の良さにも気付き、愛犬と一緒にピクニックに出かけようと計画。
まずは、犬がお弁当の前でお行儀よくしていられるかリビングでプレピクニック。
お弁当箱になりそうな保存容器を準備して、唐揚げや玉子焼きなどを作ってスパムおにぎりと一緒に詰める。
ソファで広げて、掃き出し窓から見える青空を見ながら食べることに。
犬はヨダレをたらしながら盗み食いのチャンスをうかがっていましたが、何とか死守できました。
部屋で食べるお弁当も結構楽しいものです。
そうそう、先日、「マディソン郡の橋」という古い洋画をビデオで見ました。
バスタブにつかりながらビールを飲むシーンが心地よさそうだったので、ヒロインを気取って真似てみました。
すると、これが全然美味しくはなかったという結果に。
ビールはやっぱり部屋で飲むのが最高...!
お金を使って得られる豊さもあるけれど、使わなくても楽しいことはあるし、幸せを感じることはいくらでもあります。
それを見つけられるかどうかで人生の質が変わるのでは、と思っています。
【まとめ読み】50代のこれから、そして悩み...中道あんさんの記事リスト
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。