<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女
年齢:40
プロフィール:50歳の夫と二人暮らしの主婦です。
1年前まで派遣で働いていた会社での話です。
私のいた会社の入っているフロアには、別の会社が隣に入っていました。
その会社にはいつも怒ったような雰囲気で、すれ違っても絶対に挨拶をしないアラフォーくらいの女性がいました。
その女性は、若い頃は結構美人だったんだろうなという雰囲気で、服装や髪型にも気を遣っていて細身なので、写真に撮れば美人なのかもしれません。
しかし、とにかくいつも怒ったような表情で、常に眉間に皺が寄っています。
そのうえ上下にアイラインをしっかり入れていて、頬には血色のない色白のメイクをしていたので、怖さにさらに拍車がかかっていました。
あまりにも無愛想なので、彼女は私の会社内でもちょっとした有名人でした。
「今日もあの人が怒っていた」
「また無視された」
「こっちから笑顔で挨拶してみたけれど見事にスルーされた」
「昼休みにすごい剣幕で怒りながら電話をしていた」
など報告しあって、楽しんでいるようなところもありました。
隣の会社とはトイレや給湯スペースも共用で使っていました。
私たちの使う女子トイレには、ハンドソープやハンドクリーム、消毒液などのちょっとした私物を置くスペースがあります。
置き位置は私の会社が右側、もう一つの会社が左側というふうに何となく決まっていました。
トイレでその女性と2人きりになると緊張するので、その女性がトイレに入るのを見たら、タイミングをずらして入るようなこともよくあることでした。
しかしある日事件が起こりました。
その女性がうちの会社に怒鳴り込んできたのです。
何事が起きたかと社内に緊張が走りましたが、話を聞いてみると「女子トイレの使い方がなってない」とのことでした。
あまりにも激怒していたので、誰かがとてつもなく汚したとか、個室に長時間こもっている人がいたのかと思いましたが、理由を聞いて唖然...。
怒っていた原因は置いてあるものが「右半分と決められたスペースからはみ出していて邪魔だ」というものでした。
その場でうちの会社の女性社員と一緒に確認に行ったのですが、そこまで大げさにはみ出してスペースを占領しているような状態ではなく、置き位置がズレていた程度でした。
しかしあまりの剣幕に、とりあえず平謝りして何とかその場をおさめたようでした。
その程度のことで会社に乗り込んできたことに恐怖を感じたと同時に、共用スペースをきっちり二等分して何があってもはみ出してはいけないなんて...。
まるで小学校の頃の机の境界線争いのようだなとあきれてしまいました。
「あんなことであそこまで怒るとはね...」
などとしばらく会社内でも語り草になった出来事でした。
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