<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ペパーミント
性別:女
年齢:52
プロフィール:社会問題になっているあおり運転。私と母が被害にあったのはなんと実家のご近所さんでした。
実家の母と私の車で近所のスーパーでお買い物に行き、帰路につこうとしたときのことです。駐車場の通路でハザードをつけたまま、止めている車が目に入りました。通過できないほどの狭さではなかったのですが、なんとなくいや~な予感がしたのでしばらく待つことに。「早く行ってくれないカナ~」と思いつつ待つこと約5分。しかし、一向に動く気配がないので仕方なく横を通過することにしました。
相手の車が急に動くと危ないと考え最徐行で進んだところ、難なく通過です。「とりこし苦労だったカナ」とすっかり安心した私は出口付近で信号待ちをしていました。すると、先ほど通路でとまっていた車がスゴイ勢いで追ってきて、追突寸前のところで急停止。車の窓から怒声を浴びせ始めました。それらの内容から、通過したのが気に障ったことが分かりました。
私はさっそく車をロック。ミラー越しに相手の顔を見るとそこには見覚えのある顔がありました。よくよく見るとその人は実家のご近所さん。70代後半くらいに見える男性で、会話こそしたことはないのですが、顔を合わせる度にごくごく普通に挨拶をかわす人なのです。一瞬人違いかと思いましたが、その人の乗っている車には少々特徴があって、その点が完全に一致していたことで「コレは間違いない」と確信したのです。
「厄介なことになったな」と考えていると、信号が青に変わったので無視して進みました。このまま終わればいいのにとの願いもむなしく、相手はとってもしつこかった。追いかけてきてあおり運転の開始です。ブーブーとクラクションを鳴らしながらくっつく離れるの繰り返し。ご丁寧に信号でとまるたびに怒声を浴びせてきます。
ですが、幸いなことに私が走っていたのは40キロ制限の一般道路で、しかも交通量がとっても多い場所。前に割り込まれる心配はなさそうかなと。それより心配なのは後部座席の母のことでした。万が一にも追突されるとケガさせてしまいます。
そこで仕方なく車を超スローダウンに。進行方向には交番がありますので、そこまでの辛抱です。信号で止まるたびに怒声を浴びせられながらも気にせず進むと、ほどなく交番付近に到着しました。交番の前には運よくパトカーが止まっていたため、「コレは中に警官がいるかも」、そう安心したその瞬間、相手はおもむろに左折してどこかへ行ってしまいました。
いつもならそのまま交番に行き、事の顛末を伝えて対処してもらうのですが、相手は実家のご近所さんですし証拠映像もありません。一旦はそのまま帰宅して様子をみることにしました。
帰宅したら相手も既に帰宅していて、タイミング悪く(?)顔を合わせることに。ここで驚いたのですが、あおり運転をしてきた相手はこちらに全く気付く様子もなくて、いつも通りに「こんにちは~」と挨拶してきたのです。それに私の車を見ても全く動じる様子もありません。「この人、ホントに気づいてないの? あるいは気づかないフリしているだけ?」いぶかしく思いつつ、どうしたものかと今日の出来事を父に伝えてみると「それは絶対人違い。あの人はおとなしいからそんなことしない」というのです。顔も、車種も、車の色も、車の特徴も、そしてナンバープレートでさえ同じなのに......。しかし、これ以上手の打ちようがないと考え、鍵かけなどを忘れないよう注意を促して実家を後にしました。
その後随分時間が経過しましたが特に変わりなく、平和にご近所づきあいをしているのだそう。あの「あおり運転」の主と。これで良かったのか、あるいはあの時警察に行くべきだったのか、今でも答えが見つからない私です。
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