<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まんじゅううまい
性別:女
年齢:40代
プロフィール:子供は娘が二人。最近姉妹仲が悪いのが悩みです。
娘が中学校に入学して少したったころ「バスケットボール部に入りたい!」と言いだしました。
スポーツをするのは良いことだと思い、応援することに。
それまで運動系の部活には縁がなかった娘ですが、体を動かすことの面白さに目覚めたようで、端から見ても楽しんでいる様子でした。
時期を同じくして学校での健康診断が行われたのですが、帰宅した娘は浮かない顔。
なんと両目の視力がD判定!
「眼科を受診するように」とのお達しを受けてきたのでした。ずっと裸眼で平気そうだったので、そこまで視力が落ちているとは想像していませんでした。
せっかく体を動かす楽しさを知ったところです。
部活の支障にならないよう、眼科で健診と一緒にコンタクトレンズを作りたいと申し出ました。
いくつか問診に答えていたところ、眼科の検査員の方がこう言ったのです。
「本日はコンタクトレンズを作れません」
最初は何を言われているかわからず、何か眼に重大な病気でもあったのかと詳しく話を聞いてみると、こういうことでした。
「当眼科は医院長の方針で、眼鏡を使ったことのない人には、コンタクトレンズの作成をお断りしている。最低でも眼鏡とコンタクトレンズを両方とも使ってもらう約束をしてもらえないと、検査ができない」
そう言われても、こちらは「部活で使う」のが目的です。
しかも、人とぶつかることも多いバスケ。眼鏡をかけさせるつもりはありません。
それに、娘も「眼鏡」には抵抗があるようだったため、コンタクトレンズだけが欲しかったのです。
私の納得できない様子を見て、検査員の方はさらにこう言ってきました。
「コンタクトレンズは一日に使える時間に限りがあり、また眼に何かトラブルがあった際に使用を中止してもらう必要がある」
「見える状態を知った上で、治るまで裸眼で生活するのは難しく、結果として無理にレンズを装用してしまい悪化するケースも多い」
それらを避けるためにも眼鏡が必要です、と説明をするのです。
それでも私は
「スポーツが目的なので眼鏡は使わない」
「本人も使う気のないものを買う必要がわからない」
そう訴えたのですが、頑として聞き入れてもらえず、一触即発の険悪な雰囲気に......。
いっそのことこのまま席を立って他の眼科に行こうかとも思ったのですが、時間的にそれも難しく、渋々...というか「不満たらたら」の態度を隠しもせず、一緒に眼鏡を購入することを約束して、その眼科でコンタクトレンズの検査を行い、結局レンズを作ったんです。
でも、このときは後にあんなことが起こるとは思ってもいませんでした......。
その後、コンタクトレンズのおかげでよく見えるようになった娘は楽しく部活を続け、本人の頑張りもあって2年生になるころにはレギュラーとして試合にも出場するようになりました。
夏の地区大会でもチーム一丸となって戦って勝ち上がり、いよいよ明日は決勝だという日の朝。
起きて来た娘を見ると、目が真っ赤っ赤に充血しているではありませんか!
どうやら痛みもある様子です。
慌てて眼科を受診すると、何本かの目薬とともに「一週間、コンタクトレンズ使用禁止」と言われてしまいました。
コンタクトレンズの視界に慣れた娘にとって、それは試合に出場できない、ということ......。
ですが、そこで思い出したのが、あの時「渋々」購入した眼鏡です。
その眼鏡のおかげで、娘は何とか試合に参加することができました。
決勝は惜しくも敗戦となってしまいましたが、試合が思いっきりできたことで娘本人は満足している様子。
それを見て、あの時クレーマーまがいの言動で検査員の方に迷惑をかけた自分が恥ずかしくなりました。
自分の考えに固執し、厄介なモンスターペアレント一歩手前だった私......。そんな私に、何度もきちんと正しいアドバイスをしてくださった眼科の方に、今は頭が上がりません。
関連記事:「塾は?」「夏期講習は?」教育熱心な義母にイライラ。口出ししないで!
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。