勝手な行動で貴重な水が減っていく...被災して本当の節水を体験

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ペンネーム:ダイチママ
性別:女
年齢:47
プロフィール:中学生の息子と二人暮らしで、仕事はケアマネージャーです。給料が安いので、常に節約した生活しています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

私はシングルマザーで、子どもと二人暮らしをしています。生活に少しでもゆとりを出すため、水道光熱費の節約は必須です。特に節水はちょっとの工夫で結構できるものですので、頑張ってきました。我が家ではシャワーは使わず、浴槽のお湯をかぶるようにしています。洗濯はお風呂の残り湯でします。

そんな節約に苦労していた矢先、熊本地震がおきました。我が家は前震では水は止まりませんでしたが、本震で一旦完全に断水。次の日からは茶色の水がちょろちょろ出る状態でした。けれどこれはいい方で、職場では完全に断水して、地域住民が避難してきていることもあり、あっという間にトイレがパンクしました。断水の予見ができなかったこともあり、市販のペットボトルの水もあっという間に尽きてしまいました。給水車から支給される水を上手に使うために、大きなゴミペールに溜めて、トイレでは便の時だけ流すようにしました。それでも排水ができないので汚水が溢れるため、トイレの床には新聞紙を敷きました。臭いがすごいけれど文句が言える状態ではありません。避難しているみんなでかわりばんこにトイレを綺麗になるように拭いたりしました。できるだけ水を使わずに清潔を保とうと努力する中、自分の出した物を見られたくないと言う理由で勝手に水を使う人が後をたたず、水は無駄に減っていきました。

結局、ライフラインで欠けて一番大変なのは水だ、というのが、地震後のみんなの意見です。我が家は、「茶色の水だけれど、ないよりまし」とちょろちょろ出る水で顔を洗いました。大体2週間ほどそんな状態でした。

でも、2週間そんな生活が続くと、みんな上手に節水できるようになります。溜めた水で手を洗い、消毒液で拭きなおす。食事は缶詰、炊き出し、インスタント中心で、この間は本当に節水できていたと思います。

2週間して水が復旧した温泉は大渋滞。でもお風呂に入れた、と涙を流す人がたくさんいました。

地震のおかげで水を上手に使う生活にはすっかり慣れました。この節水の癖をなくさないように心掛けたいです。

余談ですが、我が家は地震が1年後に下水が詰まってしまいもうすぐ引っ越しです。今は水はあるけれど流せないので、バケツの中に排水を溜め、トイレに流しています。1回の食事の片づけでトイレと台所を5往復します。水は出ないのも、流れないのも大変なものですね。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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