<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ねこのしっぽ
性別:女
年齢:52
プロィール:介護施設で生活している義理の母。季節ごとの行楽を楽しみにしています。
90代前半の義理の母は現在介護施設で生活しています。その施設では年に数回行楽行事を催してくださいます。これにはホントに感謝感謝。私たち家族だけで義母をどこかに連れて行ってあげる事はなかなか出来ませんから。
もともと出かけるのが大好きな義母ですので、これらの行事をとても楽しみにしている様子です。ということで、もちろんすべての行事へは積極的に参加しています。
そんな楽しいはずの行楽で事件は起こりました。
その日の行楽は屋外施設でのお花見でした。向かった先は県内外から桜を目当てに多くの人が訪れる有名な場所。ありがたいことにお天気にも恵まれてとても温暖な日となり、満開の桜を愛でることができたのだそうです。そんなこんなでその日の行楽はホントに楽しい時間となったようでした。
そしてその後は待ちに待った食事の時間。これまた大好きな回転寿司に義母はウキウキ。参加したメンバー全員で食事に向かいました。
毎日施設の食事を食べている義母にとって、久々の回転寿司は大のご馳走となります。お寿司が大好きな義母にとっては、行楽と同じくらい、あるいはそれ以上にお寿司が楽しみでしかたなかったみたい。「あれもこれも食べたい!」と、そんな気持ちが抑えられず、どんどん口に好みのお寿司を運んでいたのだそうです。気持ちはね、なんとなくわかります。外食はいくつになったって楽しいですから。
しかし、張り切り過ぎたのか、義母はお寿司を喉に詰まらせてしまいました。
そのときどうして良いかわからず、それでも自分で何とかしようともがいていたそうなのです。しかし、それは自分でどうにかできる問題ではなく、みるみる義母の顔色は悪くなっていき、そんな義母の様子にいち早く気づいた介護士さんがテキパキと対処してくださり事なきを得ました。ホントに良かったです。
それがなければ、せっかくの行楽&ウキウキ気分の楽しい食事会が義母にとってあわや昇天!? そんな場面になってしまうところだったのですから。そう考えると、同行してくださった介護士さんには感謝しかありません。
と、メデタシで終わったことではあるのですが、実はちょっとした後日談が。いつもなら、その日の出来事をこと細かく電話で伝えてくる義母なのに、こんな大きな問題を内緒にしていたのです。きっと、このことがきっかけで「今後外食は遠慮しよう」と、それを言われることを警戒したのでしょう。
ということで、この事の顛末は介護士さんから聞かされるまで家族のだれも知らなかったのです。義母にそれとなく聞いたところ、しぶしぶこのときのことを話し始めました。もちろん、「もう行くな」なんてそんな酷なことは言いません。義母の楽しみを取り上げるなんてできませんから。
「でもねお義母さん。今後のために起ったことは正直に教えてね。介護士さんへの礼儀礼節は忘れちゃダメだからね」そうお願いするしかない私なのでした。
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