<この体験記を書いた人>
ペンネーム:kame
性別:女
年齢:51
プロィール:毎日パソコンで仕事をしています。息抜きにYouTubeを見ていると、思いがけないワンシーンにドキリ。
若かりしころ、私には10年もの歳月を共に過ごした人がいました。その人の思い出に浸り、懐かしみ、そして現実に苦笑いをしたオハナシです。
私の仕事はWEBライター。毎日8時間程度はパソコンに向かって記事を書いています。
納期直前になると、夜中にひとりでパソコンのキーボードをカチカチ叩いていることも珍しくありません。そんな生活が続くとちょっとした息抜きも必要になります。
そんなある日、いつも通りの息抜きタイム。開いたYouTube にはとあるアーティストさんのMVがリストアップされていました。
「少し前検索したからだな」
そんな風に思いつつ何気なくクリック。すると魅力的な歌声が聞こえてきたので、しばし手を止めてそのMVを見ることにしました。そして、そこには若かりし思い出と重なるシーンが繰り広げられていてドキリ。
カウンター越しに微笑む男性、閉店後の二人だけの時間、そして笑いあう二人。昔好きだった人を思い出しちょっとドキドキ&背徳感に浸る私です。
何を血迷ったか、一気に数十年前に時間が逆戻りしたような錯覚に襲われました。もちろんこれ、恥ずかしくなるくらいに美化されているとは思うのです。人間の記憶はどうも都合よく上書き保存されるみたいですから。
そう、これは「錯覚」。私を現実に引き戻してくれたのは、誰でもなく鏡に映った私でした。ふと目を上げた先には鏡に映った自分の姿があり、今度は別の意味でドキリです。
そこにいるのはきっちりと歳を重ねた自分の姿。目じりにはシワが刻まれ、ご丁寧にところどころにシミだってあります。白髪染めを繰り返した髪はパッサパサ。とてもじゃないけど、思い出の中の自分はもういません。
そして、きっとそれは相手も同じはずです。もしかすると、でっぷり太っているかもしれませんし、髪の毛なんてなくなっているかもしれません。万が一街で偶然出会ったとしても「あんた誰?」、そう言いたくなるくらいにお互いに変貌を遂げているかもしれません。
そう、これが現実なのだと苦笑いです。
そして、そんな「パッサパサ」な私を受け入れてくれているのは、隣の部屋で「が~ご~が~ご~」といびきをかきながら平和に眠っているわが夫。大切にしなきゃねと痛感しました。
もちろん、10年もの年月を共にした相手との思い出ですので、きっと一生忘れることはないでしょう。そして、何かのきっかけでまたいつか思い出すのだと思います。
ですが、それ以上でもそれ以下でもなく、「若いときのちょっと切ない思い出」。
真夜中に鏡に映る自分の姿を見て、思い出は思い出としてとっておくのが一番だと実感した出来事でした。
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