「お父さんみたいになりたくない」が口癖だった息子が暴れ出して...悲しきDVの連鎖/chii

モラハラDV夫との結婚生活、そして夫から逃げるまでを綴ってきましたが、夫の元から逃げて、はい、終了ではなく、その後現在に至るまでは乗り越えなければならない壁がたくさんありました。

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モラハラDV夫の元から逃げて、息子と2人でスタートした母子家庭の暮らしには、さまざまな困難がありました。

私のパート代だけではやっていけず、夜には副業もやっていたので、いつも疲れていました。

息子は学校から帰宅後、近所のスーパーにアルバイトへ行き、私が困った時は家計を助けてくれることも。

勉強、部活、アルバイトでクタクタになっていた息子は、両立が難しく部活をやめる選択をしました。

嫌というほどの貧困を味わった息子は、貧困の連鎖を断ち切りたいという強い願いを持っていたのです。

良い大学に入って、安定した企業に就職したい、高校1年生の頃からそう考えていたようでした。

彼は、父親から「おまえはダメだ、おまえは使えない」と否定され続けてきたので、自己肯定感が極端に低い子でもありました。

自分が嫌い、自分に自信がないといつもつぶやいていたのですが、勉強は好きらしく、難しい問題を解く息子を、数学が大の苦手だった私は理解できませんでした。

一生懸命勉強していれば、貧困の中にいても、将来への道は開けると思っていたのかもしれません。

夜遅くまで、コツコツと勉強していました。

夏休み直前に、息子の担任の女先生と私とで三者面談がありました。

「○○君は、希望の星です。このままの成績を維持していけば、国立大へ入学も夢ではありません」と言ってくださいました。

内心、良かったと思った私ですが、その後の先生の言葉には、ひどく傷つくことになりました。

「お母さん、大学へ行けば、奨学金という制度があり、学費は何とかなりますが、入学金は自分で用意しなくてはならないのですが、その用意はできますか?」

「国立大学を目指すなら、塾へ通うのはあたりまえです、塾へ行かないのなら難しくなりますが」と立て続けに。

まるでわが家の貧困状態を見透かされているようでした。

確かにその頃、貯金はゼロだったし、小さい頃から貯めていた学資保険も解約して、生活費に消えていました。

そして、息子のアルバイト代で食費を助けてもらうような苦しい生活を送っていました。

なんだか担任の先生に馬鹿にされたようで、苦々しい気持ちの中、息子を絶対に大学へ行かせたいと思ったことを覚えています。

結局、息子は、国立大の理系コースを選び、授業を選択しました。

塾へ行くのはあたりまえ、その言葉を鵜吞みにした息子は、すぐに大手学習塾へ見学に行きました。

塾へ行きたい、話だけでも聞いてほしいとお願いされ、私も大手学習塾に話を聞きにいくことに。

ここでは、貧困母子家庭であることは隠して話を聞いたのですが、あまりの授業料の高さに、目が点になりました。

当時で半年間で50万円ほど、その金額に私も息子も絶望しました。

せっかく学費の安い公立高校を選んだのに、塾代がそんなにかかるとは、驚きました。

息子は、その金額を知り、無理だと思ったのでしょう。

「俺は独学で頑張る、塾には行かないでいい」と言ってくれたのです。

その後、彼が勉強でいろんな壁にぶち当たった時、私は息子によく責められました。

「なんで、こんな貧乏なの?」

「お父さんとなんで結婚したの?」

「なんで俺を産んだの?」とまで言いました。

その時、悲しかったのは、夫と同じように暴れたことです。

苦しかったから、ストレスを吐き出したかったから暴れたのだと思いますが、私はDVの連鎖だと思ってしまったのです。

DV夫の背中を見て育った彼は、物を投げる、物を壊す、そんなことは悪いことではないと学習してしまったのか。

お父さんみたいになりたくないという口癖だった息子なのに、父親と同じように身体が反応してしまう。

それには、息子も苦しんでいたようです。

暴れた翌日には、昨日はごめんなさいと必ず謝ってきた息子ですが、私はもう息子さえ怖くなり、「お母さんはもう疲れた、お父さんの所へ帰れ」と言ってはいけない言葉を何度も言ってしまいました。

今思うと、狭いワンルームの2人暮らし、お互いにストレスはマックスだったのかもしれません。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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