元DV夫が亡くなり家を解体することに。思い出と共に全てが更地になって.../chii

夫による激しいDV、モラハラに耐えかねて家を飛び出して約10年。

別居していた夫が、昨年10月に孤独死しました。

【前回】別居していた夫が孤独死。遺品整理をすると、辛いことばかりの日々だったのに寂しさと後悔が頭をよぎる

元DV夫が亡くなり家を解体することに。思い出と共に全てが更地になって.../chii pixta_90851231_S.jpg

7月に売却が成立していた元わが家ですが、ついに解体されました。

8月初旬、近所の歯医者へ行った帰りに元わが家を見に行ったのですが、解体するにあたり、足場が組まれていました。

不動産会社からは8月のはじめになると聞いていたけれど、足場が組まれていたのを見て、いよいよだなと一抹の寂しさに襲われました。

あの山のような残骸物は、いつ運び出したのだろう?

目をつぶると、家族団らんのいろいろな場面が思い浮かびました。

息子と夫は毎週日曜日、野球の練習をしていました。

夫はそれがとても楽しみだったようです。

数本のバットも、かごいっぱいのボールも私が家を出たときにみーんな置いてきてしまいました。

廊下には子どもたちが幼い頃の写真がたくさん貼ってあって、それも全部そのままにしてきました。

思い出の物たちが全部消えてしまうと思うと、もう一度家に入り、取ってきたい衝動にかられました。

もう家の鍵は不動産会社の手に渡っていたので、どうすることもできなかったけれど。

物を運び出すところ、家屋を解体するところは、あえて見ない選択をしました。

積み上げてきたものが、壊されていくのを見るのは辛いと思ったからです。

お盆に息子が帰省し、元わが家を見に行ったのですが、綺麗に更地になり、砂利がしかれていました。

あの大きなビワの木も、ボロボロになった家屋も、何もなくなっていたのを目の当たりにして、言葉にならず。

これで良かったんだと自分に言い聞かせました。

一緒に行った息子は、「綺麗になって良かった。実家がなくなってしまってもなんとも思わない」と言いました。

娘にLINEで写真を送っても、「すっきりしたねー良かったね」の返信のみ。

元わが家をなくして、感慨にふけっていたのは、どうやら私だけだったようです。

更地になった元わが家を見た後、息子と共に夫が眠る墓地へと向かいました。

昨年10月に孤独死した夫。

10年間別居していた私は、遺骨の引き取りを拒否しました。

このまま無縁仏にしてしまえーなんて投げやりな気持ちもあったけれど、よく考えて、今年3月に義両親が眠る墓地に納骨しました。

5カ月ぶりのお墓、やはり誰も来た形跡はありません。

お花をたむけ、お線香をあげ、夫の墓前に報告しました。

すべて終わりましたと。

DVやモラハラで苦しめられた夫でも、やはりまだ情は残っています。

お墓に入れて良かったと心から思いました。

良い場所だね、お墓参り、また来るからの息子の言葉が嬉しかったです。

いずれ墓じまいをするつもりでいましたが、俺がずっと守っていくからとも言ってくれました。

でも、いずれ重荷になるはず。

10年後くらいに、私の頭がしっかりしているうちに考えたいと思っています。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、10年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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