「お子さんのために逃げる勇気をもってください」DV夫から離れる覚悟を決めた一言/chii

モラハラDV夫との異常な結婚生活を振り返っています。

いろんなことを乗り越えて、今やっと平穏な暮らしを取り戻すことができました。

本当に波乱万丈な結婚生活だったのですが、その中でも忘れられない出来事を書いていこうと思います。

【前回】「これは傷害事件です。旦那さんを逮捕しますか?」夫からの激しいDVに耐えかねて警察を呼んだ日/chii

【最初から読む】モラハラ結婚生活から熟年別居に至るまで。新婚旅行先のハワイで夫は豹変した/chii

「お子さんのために逃げる勇気をもってください」DV夫から離れる覚悟を決めた一言/chii pixta_63772979_S.jpg

夫が暴れて、警察に通報した翌日は、ひどく疲れていましたが、普通に仕事に行きました。

夫もいつものように、普通に仕事に行きます。

何事もなかったようにです。

ただ、子ども部屋のドアが蹴破られて、木の破片が廊下に山積みになっていたのはそのまま。

証拠に写真もとったし、わざと片づけないでそのままにしていました。

高校受験を控えた息子には、申し訳なかったけれど、夫には現実を見せつけたかったのです。

それから数日たったある日、パートの仕事から帰宅後、リビングでコーヒーを飲みながらホッと一息ついていると電話がなりました。

児童相談所からでした。

警察から児童相談所の方へ、連絡がいったようです。

「子どもの目の前でのDVは、虐待にあたるので、お母さん一度、こちらへお越しください」という話でした。

他にいろいろ相談にものってくださるということで、予約を取りました。

夫が暴れて刑事さんが来た日、事情聴取という形で私と夫はいろいろ聞かれて、何か書類にもサインした記憶があります。

その時に、息子にも事情聴取をしていたと思います。

高校受験まであと1カ月もないというのに、可哀想なことをしました。

約束した日に、私は児童相談所に出向いて、40代くらいの女性相談員にいろいろ話を聞いてもらいました。

個室で、2人きりで話したのですが、過去のつらい出来事をすべて吐き出しました。

腕や足の残っていた暴力によるあざも見せました。

鼻水たらしながら、ワンワン泣きました。

相談員の女性は、私の背中をさすりながら、うんうんと頷きながら聞いてくださいました。

今までにも、市のDV相談にも行ったことがありますが、こんなに親身に聞いてもらったのは初めてでした。

市のDV相談では「夫から逃げるには、遠い場所にあるシェルターに入ってもらう。外から遮断された生活になるので、子どもの学校も転校になる」と言われていました。

「その覚悟はあるのか?」と聞かれたけれど、それは無理でした。

なぜなら子どもたちが「転校はいやだ、学校だけは行かせてくれ」と言い続けていたからです。

そんな理由もあり、私はモラハラDV夫の暮らしを続けていたのです。

そのような経緯も、児童相談所の女性相談員にはすべて話しました。

すべて話し終わった後、相談員さんは言いました。

「お母さん、お子さんを第一に考えて、お子さんのために逃げる勇気をもって」と。

その一言で、気持ちがかたまりました。

もう逃げようと。

息子の高校受験の日が迫っていたので、私は夫を怒らせないように、いつも以上に神経をとがらせて気を使っていました。

それと共に、夫には内緒で、アパートの物件探しを始めたのです。

息子が公立高校に合格すれば、学費がずいぶんと安くなるので、2人でやっていけるかもという希望もありました。

私立高校と公立高校、2つの受験日は、夫には内緒にしていました。

「受験なんかさせないからな! 邪魔してやる」と言っていた夫です。

わが子の受験を邪魔してやるという父親がどこにいるでしょうか。

もう本当に普通じゃないです。

3月初めに合格発表があり、息子は希望の公立高校に合格しました。

それからすぐに私は、不動産会社に出向き、物件を決めました。

児童相談所の女性相談員の方からは、何度も電話をいただき、励まされました。

だけど、私の心の中は揺れに揺れていました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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