こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴ったブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】介護ってまるで「忍者の修行」! 日々大きくなっていく困難の木を乗り越えて...
介護の最中、ブログ読者からは 「どうして施設入所を検討されないのですか?」と疑問を投げかけられることが何度かありました。
義父母2人ほぼ同時にあれよあれよとW介護が始まり、長年完全同居だったのが運の尽き。
介護義務がないはずの嫁の私がキーパーソンに祭り上げられているのですもの 「何で?」と思われるのも無理はありません。
正直言えば、施設入所の鍵を握るのは実子である、としお氏やよしお氏(義弟)だと思うのですよ。
しかしキーパーソンが音を上げるとか、病気になるとか、差し迫った問題が勃発しない限り彼ら『傍観者』はなかなか具体的には動いてくれないものです。
業を煮やし、としお氏を半ば強引に引き連れ特別養護老人ホームに申請手続きをしたのは1年前。
その特別養護老人ホームからやっと入所の打診がありました。
待ちに待った...と言いたいところですが、声を掛けられたのは当然義母の方。
要介護2の義父は、入所基準の要介護3に届いておらず未だ登録すら出来ていません。
義母の入所話なのに、まず最初に頭に浮かんだのは義父のことっていうのもおかしな話ですけどね。
義母が入所出来たとしても、その後のことを考えちゃうわけです。
要するにそれで労力が2-1=1になるかというとそうではないという...。
義母の存在で何とか均衡が保たれている今の状況も
義母がいなくなれば 今度は義父がドッと覆いかぶさって来る構図が容易に予想されます。
病気のせいで介助の度合いはますます厳しくなっている義父ですが、当人にその自覚は薄く、相変わらず『ヨメノイウコトキイタラマケ星人』。
精神的な介護負担は義母の比ではなく、行き詰まり感ハンパなしであります。
結局、返事は一旦保留して
その後、仕事から帰って来た夫としお氏と、義母の特養入所をどうするかじっくり話し合いました。
としお氏も大体私と同じ考えで
義母が特養に入所出来たとしても義父が残るのなら意味がないこと、だからと言って同時に義父を老人ホームに入所させるのは実際的にも経済的にも難しいことをあげましたが、その上何より、入所が義母にどんな変化をもたらすかも気がかりでした。
以前数回ショートステイ利用をした時、行く度に不調をきたして帰ることがほとんどでした。
ある時は夜中不穏な行動が続いたり、真っすぐ歩けなくなってしまったり...。
最終的にはしばらく起き上がれなくなったことから、それ以降ショートステイの利用をやめていたのです。
たまたまショートの施設が義母には合わなかったのかもしれませんが、認知症で何も分からなくなったかに見えてそうではない義母。
いざ、入所が目の前に差し出されると、私たちの心は揺れに揺れました。
結果、今回の特養入所は見送り...という結論に。
施設入所って気持ちの上でも簡単なことではないようです。
その判断が良かったのか悪かったのか今になっても分かりませんが、どちらに決めても折々に介護を背負った家族の模索や決断は続きます。
当人たちにとって良いと思った道が正しい道なのだと信じる他はありません。
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