<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さんた
性別:女性
年齢:46
プロフィール:子育て中の主婦です。
10年ほど前、娘が小学1年生だったときの話です。
娘のお隣のクラスのAちゃんが5月頃から学校に来なくなりました。
お隣のクラスのことで詳しいことは分かりませんでしたが、同じクラスのお友だちとのいざこざが原因だったようです。
初めはAちゃんのお母さんが付き添って、別室登校するなど頑張っていたようですが、夏休みを迎える頃には、完全に学校に来なくなってしまいました。
しかし、2年生になるとクラス替えがあり、娘と同じクラスになったAちゃんは登校を始めました。
半年以上学校に来ていなかったAちゃんは、小学校生活に不慣れで、学習にも遅れが出ていました。
計算カードや九九が苦手だった娘は、いつもAちゃんと一緒に居残り学習をしていました。
何度も居残り学習をして一緒に帰るうちに、2人はだんだんと仲良くなりました。
当時、娘は自分ができないことに恥ずかしさを感じて、すねたり泣いたりすることの多い子どもでした。
一方、Aちゃんは本当に素直な子でした。
学校に慣れ始めると、学校に行けなかった自分がみんなよりできないのは当たり前と謙虚に受け止めて、周りと自分を比べることが一切なかったのです。
そしていつも前向きに頑張る!
小さなことでも上手くいったときはうれしそうな笑顔を見せ、クラスみんながAちゃんの素直さ、健気さに惹かれていきました。
夏休み前に担任の先生との個人面談があり、娘とAちゃんの話になりました。
2年生になってAちゃんが登校を始め、学習に遅れのあるAちゃんを先生なりにフォローしてきたそうです。
周りの児童とのバランスも考えながら、しかしまた学校が怖くなることのないように。
プールの授業が始まったとき、学校のプールがほぼ初めてのAちゃんは、とても緊張した様子だったそうです。
バタ足もできないAちゃんは、簡単なバタ足のテストで不合格に。
そのとき、不合格になってしまったのはAちゃんだけだったそう。
先生は内心、大丈夫かな、と心配していましたが、プールが終わった休み時間、Aちゃんは満面の笑みで先生に言ったそうです。
「プールに慣れてきたよ! 怖くなくなってきたよ! 今日もプールに入れたよ!」
そんなエピソードを交えながら、自分ができないことを謙虚に受け止めるAちゃんの素直さが、うちの娘にもいい影響を与えているようだ、という話を聞きました。
日頃から、Aちゃんはできないことがたくさんあるけどすごく頑張り屋さんなんだよ、だからどんどんできるようになってるんだよ、と娘から聞いていた私は、Aちゃんに感心しました。
そして、頑張り屋さんのAちゃんはすぐに遅れを取り戻しました。
6年生になる頃には、みんなから信頼されて学級委員や児童会役員を任されるような優等生になっていました。
娘もAちゃんに触発され、苦手な科目も頑張ることができました。
登校できない子や学習に遅れのある子を下に見る人もいるようです。
でも、Aちゃんみたいな子がいることを知ると、そういう子どもたちもちょっとしたボタンのかけ違えがあっただけで、いろんな可能性を持っているのではと思います。
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