西日本を襲った大豪雨で90歳祖母が足を骨折。避難する難しさを痛感

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ペンネーム:つよぽん
性別:女
年齢:38
プロフィール:2児のママです。2018年7月上旬に発生した西日本大豪雨を経験し、災害の恐ろしさを痛感しています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

私は四国在住です。2018年7月初旬、西日本は大豪雨に見舞われました。未だかつて経験したことのない自然災害で、どうすることもできない無力さを感じています。幸い私が住む地域は被害が少なかったのですが、場所によっては川が氾濫し水没状態に。まさか自分が住む地域で大きな災害が起こるとは信じられなかったです。自然の驚異を目の当たりにし、恐ろしくて言葉が出ませんでした。

90歳の祖母が住む地域では、いたる所で土砂崩れが発生。テレビのニュースを見ていると、避難指示が出ていました。足腰の不自由な祖母のことが心配になり、私はすぐ電話をかけました。

すると電話口には、元気そうな祖母の声。ホッとしました。しかし心配なのは、どうやって避難するかです。電話ごしでも強い雨音が聞こえてきます。こんな状況で避難所である公民館まで自力で歩いていけるのか心配でした。

祖母は私に心配をかけまいと「大丈夫だから心配ないよ」と言って、電話をきりました。そうはいっても、高齢化が進む小さな集落です。まわりに協力を得られる人もいません。助けてあげたいのに何もできない悔しさを感じました。
きちんと避難できたのだろうか。祖母は携帯電話を持っていないため、余計に心配になります。念のために1時間後に再度電話をしました。すると92歳の祖父が電話に出て、こう言うのです。「祖母が外で転倒した」と。

えっ!?大丈夫なの?突然の事態に冷や汗がドッと出てきます。
「たいしたことはないから、家で休ませておくよ」とだけ私に言い残し、祖父は電話を切りました。このとき私は胸騒ぎがしたのです。高齢の祖母が豪雨のなか転倒して、軽傷で済むのだろうかと......。

 
たまたまこの日、私の両親は県外で結婚式に出席中でした。誰にも相談ができず、祖母の家へ行こうとも思いました。ところが道路は全面通行止め。生活道路は寸断され、祖母が住む地域は孤立状態に陥っています。
高齢者が避難する難しさを強く感じる瞬間でした。人口の少ない、高齢者が多い地域で災害が起こると協力し合うことも容易ではありません。

通行止めが解除されたら、祖母の様子を見に行く......今私ができることは、それしかありませんでした。しかし翌朝も通行止めは解除されないままです。祖母の状態が気になり、再度電話をすると「町内の病院へ搬送された」と祖父。やっぱりケガをしていたんだ......。
祖父がなんとかまわりの協力を得て、町内の病院へ連れて行き手当てを受けているようです。祖母は左足を骨折する大ケガをしていました。手術が必要な状態で、町内の病院では対応ができないとのこと。しかし市内の病院へ行く道は通行止めで、行くことができません。
やっと市内の病院へ搬送されたのは、祖母が転倒してから2日後のことでした。相当痛かったことでしょう。避難ができないうえ、ケガをしてしまった状況を想像するだけで胸が苦しいです。

 
祖母は現在入院中ですが、体は元気です。転倒して足の骨折だけですんだのは、不幸中の幸いだったのかもしれません。
自分の命は自分で守る。誰しも分かってはいても、高齢者にとっては難しい場合もあると感じています。今後また大きな災害に見舞われたとき、高齢者をどう守っていくべきか。課題のひとつにしてほしいと思います。

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