姉を介護しながら夫をガンで見送り...8人の兄妹は誰も手を差し伸べてくれなかった

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:べい
性別:女
年齢:68
プロフィール:2年前に夫を亡くし、現在は一人暮らしをしています。

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私には兄弟姉妹が8人います。ですが、みな巣立った後は殆ど連絡をとっておりません。やり取りをしているのは姉2人と弟1人くらいでした。

その連絡をとっていた姉の一人(次姉)は、離婚後子供たちとも縁を切り、頼れる人もおらず長く1人で暮らしていました。次姉は体が弱く、離婚後も病気を繰り返していたのですが、とうとう10年前に倒れ半身不随の要介護状態に。ですが、そのお世話する人は誰もいません。そこで連絡をとっている姉弟と相談することになりました。

姉弟も私も結婚し、家庭を持っています。そしてみな次姉の家からは電車で1〜2時間程度の距離。条件はそんなにかわりません。ただ、弟は勤めているので世話はできない、長姉は年をとって体力がなくなってしまったからできないと頑なに拒否。私もパートで働いていましたし、子どもは自立したにしろ、家には自分ではなにもできない夫がいます。ですが、ここで私も拒否したら、次姉はどうなってしまうのか......。次姉を見捨てることはどうしてもできません。そこで私がお世話を引き受けることになったのです。

そこからの8年は非常に忙しい日々でした。自分の仕事、家のこと、次姉のお世話で毎日ヘトヘト。しかもそんな中、なんと夫がガンになってしまったのです。私は日々夫の病院、次姉の家と通い詰めました。ですがとうとう夫に余命宣告が......。本人はもちろんのこと、私もショックでした。私は夫のそばにできる限り長くいたいと思い、長姉と弟に、夫が亡くなるまでの間だけでかまわないから、次姉の世話を引き受けてくれないか、と頼んだのです。さすがに、これには良い返事を聞けるのではと思っていました。ですが、これに関しても弟は拒否。長姉も「ごめんねぇ」と謝りながらも手伝ってくれませんでした。そして、余命宣告から半年後、夫は他界しました。

今から2年前、次姉はやっと順番待ちしていた特養に入ることができました。現在は週1度電車で1時間半の距離をお見舞いに通っています。

私には頼れる人のいない姉を放っておくことはできません。ですので、ある程度お世話をするのはいいのです。ただ納得いかないのは、多くいる姉弟姉妹、なかでも状況を知っている長姉、弟が全く手伝ってくれないこと。物理的にも金銭的にも、少しでもどうして助けてくれないのか......。戦後の貧乏な中、苦労をともにして育ってきた姉弟なのに、なんて薄情なのでしょう。

次姉は私に負担をかけていると負い目があり、いつも「ごめんねぇ、ごめんねぇ」といいます。兄弟姉妹は誰もお見舞いにすらきません。私の夫の最期の時でさえ、協力してくれませんでした。自分さえよければいいのか! 私の中には怒りが渦巻いています。

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