アラフィフ主婦ブロガーのマコさんによる連載第9回! 結婚20年、中高生の子供2人を持つ48歳のマコさんには、とても個性的な60歳の旦那さんが...。複数の収益不動産(アパートなど家賃が入る物件)を持ち、なんと50代でアーリーリタイヤをされた頼もしい旦那さんなのですが、超絶な「節約家」だそう。そんな「ドケチ夫」と暮らす日々をお届けします。
前回の記事:え? ドケチ夫がウキウキと出かけた外車の試乗で陥った「間抜けすぎる事態」/ドケチ夫との日々(8)
春です!新しい生活に向けて、断捨離のシーズンがやってまいりました。
我が家も断捨離をしようと...しております。
モノを大事に使う、ドケチな夫に阻止されながらも、使わないものは処分しないとな...と思っているところです。
古くなった衣類を引っ張り出しながら... 懐かしいものが出てきたので、一気に10年前へタイムスリップしました。
私が今、手にしているものは... 古ぼけた赤い男性用ビキニパンツです...。
ゴミ置き場から拾った人気ブランドパンツ...
10年前のその日、不動産大家の彼は、所有物件の掃除に出かけていました。
ほうきを手に、敷地内から歩道までを丹念に掃き掃除をしていたところ、建物からすぐのゴミ置き場に、お宝が捨ててあることに気づいたのだそうです。
それは、誰もが聞いて「あのブランド!」とわかる、ヤングなイケメン向けの人気ブランドのパンツでした。
たたまれたものを広げると、それはハイレグ気味で真っ赤なビキニ型(もちろんメンズ)。
そんな新品のパンツ3枚が、誰かの出したゴミ袋からこぼれ落ちていたのを、夫はめざとく見つけたようです。
まず彼は「すごくいいものを拾った!」と私に電話連絡をしてきました(いちいち私に連絡はいいっつーの)。
そしてそのまま嬉々として戦利品を自宅へ持ち帰ってまいりました。
「こんなパンツ、高くて絶対買えない。本当に素晴らしいものを拾った」と、興奮冷めやらない感じで私に見せびらかします。
しかし...
お世辞にも彼に似合うテイストじゃないです。
だって夫の顔ときたら、ハンバーグのような雰囲気で、体だってスーパーモデルを横に2倍以上に引き延ばしたみたいなずんぐりむっくり。
ビキニパンツを着るどころか、持っていることさえありえない感じの風貌です。
第一モデル体型じゃないし、かっこよくもないしなあ...。
見せびらかされてもなあ...。
本来XXLの体系の人間がMサイズのパンツを履くと...
パンツを観察すると、サイズはM。
ですが、夫の体型はXXLなんです。
...コレ、本当に下着としての役割を果たすのかどうか...。
私からすると、そもそも捨ててある下着を漁るのにも抵抗はありますが、XXLサイズの巨体の夫が、Mサイズのパンツを穿くことに、ためらいはないのかな、と思うのですが...。
...全く抵抗、ないんですよね、それが。
無料で手に入れられたことへの喜びが8割。
サイズなんて単なる記号でしかないわけで、しかもパンツ。
いくらでも伸びるだろうという目論見があるのか、そこまでは考えてはいないのか...。
全く気にしていない様子で、いそいそと試着を始めました。
一生懸命赤いパンツを穿いた彼を見た瞬間、吹き出しそうになる自分の口を押えましたわ。
ちょ、ちょっとこれは何?罰ゲーム?お笑い芸人?穿くの許して大丈夫なやつ?
...ちょ、ちょっとアナタ...。
誰にも見せない姿だとはいえ、それで本当にいいの...?
私は凍りつきましたが、彼はなぜか、満足げに鏡の自分に見とれているのです。
入るか入らないか、窮屈かどうかなんて、「無料」のもとには関係ないのだと思います。
ましてやその有名すぎるブランド名は知っているけれども、生まれてこのかた、こういったブランドものを身に着けることには無縁ですから、それもうれしすぎたのかもしれません。
...まあ、言いかたを変えれば、非常にポジティブですわ。
3枚あるってことは、洗い替えも同時にゲットできたわけで、こんなハッピーかつラッキーなことはないわと、大喜びです。
「きつくないわけ?」
と聞きましたが...回答はありませんでした。
どうやら、なにがなんでも穿きたおすようです。
そんなこんなで...赤パンツのビキニ夫の日々が始まりました。
その赤いビキニパンツは、ブランドものだけに非常にもちがよく、繊維ですからもちろん最後には穴も開きましたが、何度も私が捨てようとしても「まだ使えるから捨てたら許さない」とおどされ...
ウエストゴムが緩み、ほつれた糸やゴム繊維が飛び出し、洗いすぎてウエスト部分も硬くなりました。
穴が大きくなりすぎたので、こっそり捨てたものもあります。
...その穴あきビキニおパンツの、最後の1枚が、今、私の手元にございます。
「夫の大切なお宝」として、彼の引き出しのすみっこに置いておくか、こっそり捨ててしまうか、感慨深さとともに、悩んでいる最中なのでした。
ち・な・み・に。
中古の下着を拾ってきたことはまだありませんが、中古の服は結構拾ってきています。
しかも、「すごくいいものを拾った」と言って、毎回、私に電話で報告してくるパターンは変わりません。
無料で拾ったものは、ことのほか愛着があるようで、新品よりも嬉しそうに着ているから本当にびっくりです(笑)。
タダでゲットできたものほど、素晴らしく、ありがたいものはない人。
しかし、たとえ捨ててあったとしても、中古の下着にはどうか手を出さないでほしい。
それだけが、今の私の切なる願いでございます。
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