皆様こんにちは、『ぼっちシニアの幸せ探し貯金日記』の管理人"くるぴた"です。
【前回】ひどい男尊女卑!彼の友人が集まる宴会で「女だから」と一人で給仕役をやらされて
病院で清掃のパートをしていた頃の話です。
そこには、60代の先輩女性が2人いました。
1人は、主任さんで、既婚者。
もう1人がAさんで、離婚して子どもたちも巣立ち、一人暮らしをしている人でした。
Aさんはやや頑固なところがある女性で、転職前の他の職場での仕事のやり方を頑なに変えず、堅実派の主任さんとはよく揉めていたのを覚えています。
年齢の割には若く派手な顔立ちのAさんは、よく 「生涯、女として現役でいたい。いずれは再婚したい」 と口にしていました。
そんな彼女がずっとやっていたのがマッチングアプリです。
積極的に出会いを求めていて、上手くいかなくてもすぐに次を探すので、月に2回は誰かに会っていたと聞いています。
Aさんは、当時50代半ばだった私にも「やればいいのに」とマッチングアプリを勧めてきましたが、当時はそういう勇気が出ず、実際にやったことはありませんでした。
そんなある日、Aさんがあるマッチングアプリのグループトークに参加。
そこで知り合った同世代の男女数人と仲良くなったそうです。
その中に、特に親切な男性Bさんがいて、楽しく対話を続けていたのです。
だんだん親しくなってきたある日、そのBさんがこんなメッセージを送ってきました。
「仕事の都合で急に20万円ほど必要になった。でも、入金が来週で間に合わない。週明けすぐに返すから、一時的に立て替えてもらえないだろうか」
......普通に考えて、怪しいですよね?
Aさんも最初「あれ?」と思って断ろうとしたらしいのですが......
間髪入れず、同じグループの他の男女から「Bさんから話を聞いたよ。Aさん、ちょっと冷たくない? 普通はそういうとき助けるものじゃない?」
「俺は今どうしても余裕がなくて何もできない。でもAさんにもし余裕があるんだったら、なんとかしてあげて欲しい」
などと、Aさんを責めたり諭してきたりするメッセージが次々と送られてきたそうです。
混乱したAさんは、20万円を指定された口座に振り込んでしまったとのこと。
そしてお金を振り込んですぐ、そのグループはすぐに閉鎖され、メンバーもAさん以外は、全員アカウントを消去していました。
彼女は面倒ごとを嫌って警察には届けず、結局泣き寝入りしてしまったそうで......
なぜそんな詐欺に引っかかってしまったのか、側から見ると不思議に思えるのですが、Aさんいわく「1対1なら、この人おかしいと思ったけど、周りがみんな相手の肩を持つから、こっちがおかしいのかと思っちゃって......」とのこと。
集団心理の恐ろしさでしょうか。
少し驚いたのは、Aさんがそんなに仲が良くなかった主任さんにもこの件を相談していたことです。
そして、もっと驚いたのは、こんなことがあった後でも、彼女がマッチングアプリをやめなかったこと......
Aさんはその後、半年ほどで膝に痛みが出たと言って、退職していきました。
「もう少し足に負担がない仕事を探す」と彼女は言っていましたが、無事に次は見つかったでしょうか。
仕事も、そして結婚相手も。
私ももうすぐ当時の彼女と同じ年齢になります。
この年代になって改めて思うのは、やはり将来に対する不安。
当時とほんの5、6歳しか変わらないのに、だんだん身体が動かなくなり、あちこち痛くなってきました。
これまでは独りでもずっと平気だと思ってきたのに、歳を重ねるごとに頼れる人は減っていき、心細くなる局面も増えました。
Aさんがアプリの詐欺のことを主任さんに話してしまったのは、それだけ不安だったからかもしれません。
私自身は一人暮らしが長くなったせいか、ここから誰かと新たに関係を築くのは難しいけれど「独りでいるのが寂しい、不安だ。再婚したい」そう切望する人の気持ちは、理解できるようになったのです。
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