20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
この年末年始は、「家族のために頑張ってあれこれしよう」を思わないことにしたという中道あんさん。自分ファーストを意識し、やらないことはしないと過ごした結果は...
【前回】 【50代になってラクになったこと5選】自分のために生きると気持ちも軽い!
55歳からビジネスを始めて、5度目のお正月を迎えました。
去年は3月の出版に向けて執筆活動に忙しく、お正月どころではありませんでした。
フリーランスのはかなさか、または性分なのか、起業後の悩みは、オンとオフの境目がないということでした。
好きなことを仕事にしたので、仕事が辛いとか嫌いとか、またつまらないなどとは一度も思ったことがなく、だからこそずっと仕事モードなのです。
しかもPCがあればどこでもできちゃうこともあって、どこにいくのにもPCを持ち歩いちゃう始末。
始めのころは「いったいいつまでやっているんだ!」と家族から声をかけられましたが、そのうち誰も気にもとめなくなりました。
そうなったらブレーキをかけるのは自分だけになっちゃいます。
ある意味ワーカーホリックともいえるでしょう。
そこで、去年あたりからオフを意識しはじめPCを持たずに出かける日を増やすように心がけました。
そして12月にはいると28日から休みを取ろうと準備を始めます。
年末年始にやるべきことを前倒ししたのです。
結論から言いますと、ここ数年なかったくらいの自分ファーストの休暇でした。
せっかくのお正月なので、「家族のために頑張ってあれこれしよう」なんて思わないことにしたのです。
やりたいことだけやる。
やらないことはしないと決めました。
長男が知り合いの牡蛎の養殖業から直接買い付けた牡蛎なんと5箱分。
殻をつけたままの新鮮な牡蛎を存分に食べようという魂胆ですが、いったいだれが料理するのだ? 私か?
それだけは絶対にイヤだと言って、元料理人の義弟に交渉し、妹のお宅へ家族でおしかけていきました。
そんなこと今までしたことはありません。
これまでの人生を振りかえってみても、人さまを招くばかりで「迷惑をかけたら悪い」と思い、たとえ実家であっても押しかけていくことはありませんでした。
でも、もういい加減、誰かに甘えちゃっていいんじゃないの。
厚かましい人になってみようと思ったのです。
そしたらめちゃくちゃ楽しかった。
素敵なテーブルセッティングに次々と出される料理。
シャンパンにワインをがぶ飲み。
義弟が弾くギターに、手拍子を合わせ今にも踊り出しそうな私。
半ばあきれ顔した息子と娘は、きっと私が酔っぱらっているからだと思っていたでしょう。
でも、そうではありません。
人に甘えている自分のことを全身で楽しんでいたのです。
そして、人に甘えることはこんなに幸福なんだと気づきました。
旅館やホテルのおもてなしを受けるのとはまったく質の違う「愛」を感じます。
いつも人のカップにお茶を注いでばかりいたら、注がれる人の気持ちを知るチャンスはありません。
感謝されることはあっても、それがどういうことなのか実際分からないのです。
だからこそ、普段我慢しちゃっている人、いつも誰かのためにを優先している人は、一切「申し訳ない」という気持を手放して、厚かましい人になってみるといいです。
わがまま言ったり、甘えてみたりをしてみましょう。
そしたら自分が毎日どれだけ素晴らしいことをしているのか、逆に気づくはずです。
お正月休みは、あっと言う間に過ぎていきました。
これといった特別なことは何もなかったのですが、気がつくと、換気扇やクーラーを掃除したり、クローゼットの断捨離をしたりと結構、家事をして過ごしていました。
年越しそばもお節作りも手放したのに、お餅を手作りするなど、自分のやりたいように家事していました。
せっかく長期休暇を主婦業で終わらせているようにも見えますが、私にとっては暮らしあっての仕事なのです。
こういう家のことを、忙しく、ではなく、のんびりとやりたかったのです。
そんなお正月休みも終わりが見え、明日から仕事という前日のこと。
なんだかちょっぴり憂鬱な気分に。
「おっ、ちょっとオンオフの区切りができたんじゃない?」
と嬉しい気持ちになれました。
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