「優秀だから妬まれて殺されないかしら...」あなたの息子は50代ですが? 「妄想」が暴走する義母

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:タヌ子
性別:女
年齢:49
プロフィール:二つ年上の夫(仮名:マナブさん)と83歳の義母との三人暮らし。週3回くらいお仕事をしています。

「優秀だから妬まれて殺されないかしら...」あなたの息子は50代ですが? 「妄想」が暴走する義母 #4.jpg

義母(83歳)は昔から本当に心配症で、夫(50代)も子どもの頃は、ほんの少し帰りが遅くなるだけで心配のあまり半狂乱になる母親にかなり困っていたようです。

その心配症は、夫が大人になり中年になっても止まるところを知りません。

「今ごろマナブちゃんは、コロナに感染してどこかで行き倒れているのではないかしら」

「今日は暑いようだから、熱中症で死んだりしたらどうしよう」

などと毎日のように言っています。

雨が降れば「マナブちゃんが流されるかも...」冬に雪が1センチほど積もれば「雪に埋もれてしまっているかも...」という具合です。

どうやって大人の男が1センチの雪に埋もれるのか、と内心突っ込んでいます。

ですから、普通に毎朝「行ってらっしゃい」と送り出し、そのあとで自分も仕事に行く私のことは、夫のことを心配もしない冷酷な嫁だと思っているようです。

この2年は、夫の職場でも飲み会などは減っていますが、3年前は飲み会も多く、ときには帰りが1時を過ぎ、タクシーで帰ってくることもありました。

そんなときの心配は尋常ではありません。

あるときは丁度夜中の12時を過ぎたころ、押し入れからタウンページとハローページを持ってきて、

「これを使って、マナブちゃんの会社の社長さんに電話してちょうだい。本当は私が電話したいんだけれど、私は目が悪くて電話帳の文字は読めないから」

「電話って、こんな夜中に、どういう...」

「だってマナブちゃんが、会社の人に無理やりお酒を飲まされているかもしれないでしょう。そんなのをやめて早く帰らせてくださいって、社長さんにお願いして!」

夫が親しい同僚と飲みに行っているのに、社長さんに電話、という発想に私は固まってしまいました。

一瞬、お義母さんの眼が悪くて助かった、と思ったのは内緒です。

また別の日、夫が部署を異動することになり、送別会で遅くなったときは、こんなことを言い出しました。

「マナブちゃん、今頃、誰かに包丁で刺されたり、毒を飲まされたりしているかもしれないわ。だから、送別会なんて行かないでって言ったのに」

頭の中が(???)でいっぱいのまま、

「まさか、そんなこと...」

「あなたは心配にならないの? 本当に薄情な人...」

適当に流そうとした私にぶつぶつ言ってくる義母。

「だって、マナブちゃんって、ずば抜けて優秀だし、誰よりもしっかり者でしょう。そういう人は妬まれて、殺されるのよ。昨日だってテレビでやっていたわよ。なんでも、お面の裏に毒が塗ってあって、後継者になったパーティで、妬まれて殺されたんですって。こんなことなら、平凡な子でもよかったのに...」

...お義母さん、昨日見ていたのは確か、ドラマの再放送でしたよね。

それにあなたの息子さんは十分に平凡な人ですから、ご心配には及びませんよ。

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