大人になっても喧嘩ばかりしていた私と妹。仲を修復できた理由/中道あん

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皆さんは幼い頃に「きょうだい喧嘩」をたくさんしましたか?

ほんとうは仲良くしたいのに相手を憎たらしく思う気持ち。それが大人になっても続いていませんか。

前回のエピソード:「多機能で高性能。でも私に必要?」55歳から始める暮らしのダウンサイジング(後編)

私には毎日のようにお互いの近況を報告したり、旅行にいったりする3歳年下の妹がいます。実は、元はそんなに仲が良かったわけではありませんでした。

幼い頃の姉妹喧嘩は圧倒的に私に分があり、妹は私に絶対服従でした。その力関係といのは腕っ節の強さであって、決して一目を置かれるような事でありませんでした。まさにジャイアンそのものです。

お互い思春期に入り大人になるにつれ、喧嘩には派手さとしつこさが増していき、 例えば「自分の持ち物を無断で使われた」「私の方がいつも損している」など、例をあげたらキリがないほど、ほんの些細な事が叩く・蹴る・髪を引っ張るなどの喧嘩に発展しました。

幸い怪我はありませんでしたが、親が止めに入らなければ収拾がつかない程でした。

ある時期には一つ屋根の下、一年以上全く口をきかずに暮らしていたこともありました。

 

その仲の悪さの原因、根底にはあったのは、今なら分かる、私のジェラシーからでしょう。

妹が生まれた時、私は3歳。自我が芽生え、段々と理解力が増す頃です。それまで全身で受けていた母親の愛情を、突然やってきた小さな赤ん坊に奪われている気がする。しかも、妹は生まれつき体が弱く、幼い頃は何度も入院していました。その度に母親は妹に付きっきりで、それが益々ジェラシーを増幅させたのです。

毎日のように繰り返される喧嘩のほんとの原因はそんな幼少期から続いた母親と姉妹の関係性、妹ばかりが可愛がられているという思いからきたものです。

 

ところが、あることをきっかけに喧嘩をすることがなくなりました。
それは、今から20年以上前、妹が30歳になった頃のことです。突然心理学を学ぶ為にアメリカ留学すると言い出したのです。頼る相手どころか、知り合いすらいません。今でこそSNSが普及し、遠くのアメリカを近く感じる事ができますが、当時はメールすらない時代でした。何かあっても、日本からの助けを借りる事は出来ません。日本では、話せる部類に入っていただろう英語力も本場アメリカで通用するもなのか。

我が妹ながらその行動力には恐れいって脱帽しました。そして、自分にはないものを持っている妹を心から尊敬しました。それが絶対的な姉風がスッーと止んだ理由です。

私はそれまでの妹に対する一方的な言動を深く反省しました。 相手を尊重し、思いやる心。妹にはあったのかもしれませんが、私にはありませんでした。

そのとき初めて、妹を大切に思う気持ちが芽生えたのです。

 

今、私達世代では親の介護、遺産相続できょうだいの関係がぎくしゃくする話 を見聞きします。きょうだいだと関係性が近いこともあって、他人だと遠慮して言わない言葉も、つい言いすぎてしまうことも多いです。また、相手が羨ましかったり、妬ましかったりも、しやすいかもしれません。

一旦仲が悪くなったものを年月が経つほど、大人になるほど修復は難しくなるでしょうし、これまでにやられっぱなしだった方から、歩みよることは不可能だと思われます。

「本当はきょうだいと仲良くしたいのに」と思っている方は、まずは相手を認める気持ちを持つことから始めてはみてはいかがでしょう。

次の記事はこちら:迷った時はどうする?人生のターニグポイントで向かうべき場所

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中道あん
「女性の生き方ブログ!50代を 丁寧に生きる、あんさん流<」主宰。Ameba公式トップブロガー。結婚22年で夫と別居。自立した人生を送るため、正社員として働きだしました。社会人の長男、大学生の長女と同居しています。要介護2の実母は3年半同居生活の後有料老人ホームにて暮らしております。
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『50代、もう一度「ひとり時間」』(KADOKAWA)

20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として普通に生きてきた。でも50代になると人生の転機が頼まれもしないのに訪れる。夫との別居、母の介護、女性としての身体の変化、子どもたちの成長。そこから見つけた「ひとりの楽しみ」をあますところなく伝え続ける、「あんさん」流のアラフィフライフ。50代からの人生を前向きに過ごすためのヒントが満載。

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