「絶対に...いる! すごい形相で怒ってる!」 襖の向こうに何者かの気配を感じた不思議体験

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:夢乃
性別:女
年齢:55
プロフィール:若くして結婚し、早々に2児のシングルマザーになり、子どもたちが独り立ちしてからは80代の母と同居の日々。

「絶対に...いる! すごい形相で怒ってる!」 襖の向こうに何者かの気配を感じた不思議体験 79.jpg

今から35年ほど前の初夏、上の娘が1歳を過ぎた頃の話になります。

手伝いをするために、京都に住む親戚の家を訪れていました。

その日の晩は積もる話で就寝時間が遅くなり、各自部屋を割り当てられ、私は娘と一緒に布団に入りました。

先に娘はスヤスヤと寝息を立てて眠りにつきました。

私は「お休みなさい」と声に出してつぶやきます。

すると、隣の居間の鏡台に置いてあった起き上りこぼしの赤ちゃんの人形が、カラコロコロン、と音を立てました。

変だなと思いつつも、再度「お休みなさい」とつぶやきました。

今度はその人形が、カラコロコロン、と鳴り、いきなりゴトっと音を立て鏡台から落ちたのです。

その瞬間、居間に誰かいる気配を感じました。

私のいる部屋と居間は襖で仕切られているので見えないのですが、誰かがもの凄く怒っている気配を感じたのです。

なぜか頭の中に紺のスラックス、海老茶のポロシャツを着ている男性が浮かんできました。

この男性は、居間を中心に部屋という部屋の扉の前で止まり、何かを探しているようでした。

そして、私と娘が寝ている部屋の襖の前で立ち止まったのですが、今にも開けて入ってきそうな感じがしたのです。

あまりの恐怖に私は娘にしがみつき、布団を深めにかぶって「こっちに来ないで、来ても何もありません、早くここから出て行って」と心の中でつぶやいていました。

それでも、その男性と思しき人は襖の前に怒りのオーラを放ちながら立ちすくんでいます。

どれくらいたったのでしょうか、しばらくすると、男性が部屋の前から離れていくのが分かりました。

そのまま玄関の方へ向かって歩き出し、鍵を開け玄関の扉を開けて出て行ってくれました。

ここまではいいのですが、玄関の鍵が心配になった私。

でも、怖くて確認することができず、私は眠りについてしまいました。

朝になり玄関が気になって確認しましたが、もう親戚の家族全員起きていますし、人の出入りもあるので鍵は開いたままになっていました。

叔母に今朝、玄関の鍵はかかっていたかを確認すると、ちゃんと閉まっていたと言われました。

思春期を過ぎた頃から、近くでお葬式があることや誰かが怪我をすることが先に分かるなど、霊感があるような感じはあったのですが、35年たった今でもあの恐怖感は忘れることができません。

あの男性はいったい何を探していたのでしょうか?

そして、なぜあんなにも怒っていたのでしょうか?

親戚に話してもそんな男性はいないと言われるし、また親戚の家も新築で建てたばかりだったので、その前のことはわからないそうです。

でも、確かに怒りながら何かを探していたのは間違いなく感じました。

その後、何が起こったということもなく日々を過ごしていますが、いまだに気になって仕方ありません。

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