<この体験記を書いた人>
ペンネーム:うさぎ
性別:女性
年齢:50
プロフィール:50歳のパート主婦です。
2022年5月の出来事です。
24年前、私たち夫婦(夫51歳、私50歳)の結婚が決まった頃、夫の実家近くで、土地付きの建売り住宅が売りに出されました。
夫の実家はそれまで賃貸だったため、私たちの結婚を機に購入、同居することになりました。
この家に住み始めて24年、比較的安定した生活を送っていました。
この家は3軒同時に売り出され、私たちの家が真ん中で、西側のAさん(夫婦50代、娘23歳ぐらい息子22歳)、東側のBさん(夫婦60代、娘結婚して転居、息子30代)の家とも、まあまあ良好な関係です。
コロナ禍で隣人との接点がグッと少なくなり、洗濯物を干すときにベランダ越しに交わしていた会話もなくなりました。
ちょっと寂しいなと感じていた最中のことです。
先日、久しぶりにAさんの奥さんとベランダで顔を合わせました。
その日は久しぶりに晴れたということもあって、奥さんもこちらに顔を向けていたので「やっと晴れたね!」と声を掛けました。
そうしたらベランダぎりぎりに歩いてきて「今年の年末ごろ、うち引っ越すから」と言うのです。
私はこの生活がずっと変わらないと思い込んでいたのでしょう。
思いのほかびっくりして声が出ませんでした。
「あ、あ、そうなの? どこに?」
「同じ県内なんだけど...○○のほうに」
聞けば、引っ越し先は新興住宅地でした。
こちらの自宅を売って引っ越すのでしょう。
もう子どもたちも成人していて学校も関係ありませんし、どこに引っ越そうが自由です。
でも、どうして急に引っ越すことになったのか...。
ベランダ越しではそこまで深く聞くわけにはいきません。
しかし、思い当たることがあります。
2020年、更地になっていたAさんの家の隣の土地が売りに出され、新しく家が建ちました。
それと同時に、私たち3軒の目の前の土地も売りに出されることになり、現在工事をしています。
Aさん夫婦は目の前の土地が売られるときに、少し土地を買えないかと地主に相談したらしいのですが、その土地はもともと農地だったため、農地法によりAさんは購入できませんでした。
その土地を買うことができていたら、引っ越しを決めることはなかったかもしれません。
親しくしていた方が引っ越されるのは寂しいものです。
私たち3軒の家は、家の周りも「犬走り」と呼ばれるような広さしかありません。
工事や修理をするときは、Aさんは私の家の駐車場にはしごを建てて良いかと聞いてきました。
私は快く「大丈夫だよ」と答えていました。
そんなとき「全く、家の庭にはしごも建てられな~い」とぼやいていたAさんを思い出します。
そう言えば出会ったばかりの頃、Aさんが2番目の子を妊娠したときに「近くに産婦人科ありませんか?」って聞きにきたなぁ...。
もうそんなに年月がたっているんだ...と、時の流れの早さに驚きます。
私はAさんと離れ離れになるのが思いのほかショックで、しばらく精神的に落ち着きませんでした。
きっと年末にはあいさつに来られるでしょう。
そのときは気持ちよく声を掛けたいと思います。
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