<この体験記を書いた人>
ペンネーム:藤黄
性別:男
年齢:42
プロフィール:妻とのケンカは量より質。どうしてケンカになったのかほとんどのケースで思い出せず、後から妻にチクチク言われます。
私(42歳)と妻(36歳)は結婚7年目。
普段はそうでもありませんが、年に一度あるかないかの頻度で大ゲンカします。
ほとんどの場合は1~2日もすれば仲直りするのですが、結婚3年目の2017年にしたケンカは、家庭内別居になるほど険悪なものになりました。
ケンカのきっかけは、ほんの些細なことでした。
言った言わないの口ゲンカが発展し、お互い後に引けなくなるまでの言い合いになってしまったのです。
結局、決着は着かず、離婚という言葉は出てきませんでしたが、私にも妻にも頭に離婚の文字が浮かび上がりました。
「こっちの気も知らないで」
お互いにそう思い、数日たっても仲直りどころか一言も口をきかずにいました。
共働きなので朝ご飯や昼ご飯はもちろん、夜ご飯もそれぞれ別に済ませ、私はできるだけ妻と顔を合わさないようにわざと遅く帰宅。
逆に妻はいつもより早く家を出て、夜は私が帰宅するより前に布団に潜り、同じ場所に住んでいるのにすれ違いのような日々を過ごしました。
そんなある日、私が晩ごはんを外食で済ませて帰宅しようとした夜のことです。
その日は金曜日で土日はお互いに休み。
私のなかではすっかりケンカの怒りや熱は冷めており、心の底では仲直りのきっかけを探していました。
どうしようかと悩んでいるとコンビニが見えたので、時間稼ぎのつもりで入りました。
「お詫びの印としてプレゼントもいいかな」なんて思いながら、もうほとんどのお店は閉まっている時間となっています。
コンビニの中で何かないか物色していると、アイスクリームが目に入ったのです。
妻は普段あまり甘い物を食べないのですが、クッキー&クリームのアイスクリームだけはたまに食べていました。
「これでいいかな...」
不安に思いながら、私はアイスクリームを持って帰宅しました。
自宅に着くともう電気は消えていました。
「もう寝たか」と思いながらテーブルにアイスクリームを置いて寝室を覗くと、妻はいません。
こんな時間に連絡もなしに妻が家にいないことなどこれまでなかったので私は動揺し「まさか、出て行った?」「浮気...?」と良からぬ想像ばかりが浮かんできます。
スマホを取り出し電話しようとしましたが、ケンカしていたことを思うと、なかなかボタンを押せません。
そのとき、玄関が開く音が聞こえました。
私が急いで玄関に向かうと、妻が立っていたのです。
「どこ行ってたの?」
私はケンカしていたことなど忘れたかのように、普通に聞きました。
「はい」妻はぶっきらぼうにビニール袋を私に差し出しました。
私が驚いていると「はい」ともう一度行って腕を伸ばしてきたので、私はビニール袋を受け取り、中身を取り出しました。
中には、私が好きなチョコミントのアイスクリームが入っていました。
私は小さく笑い、テーブルに置いたクッキー&クリームのアイスクリームを妻に差し出しました。
妻も小さく笑い、お互いに「ごめんね」と言いながらアイスクリームを見合って大きく笑いました。
「自分の気持ちなんて分かってくれない」と始まったケンカが、「相手の気持ちは100%は分からないけれど、好きな物は知っている」ことで収まり、なんだかとても妻のことが愛おしく思えた瞬間でした。
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