<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ラズベリージャム
性別:女
年齢:52
プロフィール:猫をこよなく愛するアラフィフ主婦です。新しいことが大好き。日々挑戦しています。
私が介護士をしていた5年ほど前のお話です。
私はパワーストーンが好きなのですが、8年ほど通っているお気に入りのお店がありました。
夫婦経営の小さなお店で、店頭にはいつも奥さんだけ。
しかし、ある日のこと、そのお店に行くと、初めて見る女性がレジにいます。
奥さんに尋ねると、新しく雇ったスタッフとのことでしたが、何となく気になる感じの方でした。
商品を購入すると、毎回水晶のベルで浄化してもらうのですが、その日はその女性の店員さんがベルを鳴らしてくれました。
ですが、ベルを鳴らすと「ガスッ」と変な音がします。
いつもと違う音に気味が悪くなった私は、奥さんに再度浄化をお願いしました。
すると今度は「ちーん」と澄んだ音がしました。
奥さんに後からその話をすると「あの子、幸薄いのよね」と。
なんだかなあ、と思い店を後にしました。
そんな記憶が薄れた3カ月後、私の勤めていた職場に支援の依頼が入りました。
児童相談所からです。
「母親が先月亡くなったご家庭を助けてほしい。父子家庭で9歳のお子さんがいるのだが、50代父親がうつになってしまい援助が必要である」
とのことで最初は私ではなく他の介護士が担当でしたが、急遽担当が変更になり、私が行くことになりました。
すぐに食事援助や生活援助などが始まりました。
ですが、しばらく通っているうちに、違和感を覚えるようになったのです。
それは、その家に行くと、誰かがいる気配がすること。
そして、閉まっているはずの2階のトイレのドアが必ず開くのです。
しかも、それが起こるのは私が訪問したときだけ...。
閉めてあるのを確認した後にも開くので、不思議に感じながら仕事をしていました。
そんなある日、ふと家の中を見回すと、見覚えのあるパワーストーンがたくさんあることに気が付きました。
そして、あの店員さんのことが頭をよぎったのです。
「いやいやまさかねえ」と思いながら、その家の娘さんに「ねえ、お母さんって○○ってお店に通ってた?」と聞いてみました。
これが当たりでした。
このお家は、あのお店でたった一度だけ会った女性のお宅だったのです。
「やっぱり」という思いと「ええ?」という思いがぐるぐると頭をめぐりました。
驚いた私は、さっそくお店のご夫妻の所へ行きました。
「実は依頼があって、以前会った店員さんの家にいくことになったのだけど、彼女は亡くなったの?」
「あの後すぐに病気になって亡くなったの。担当が急遽あなたになったって、きっと彼女があなたを呼んだんでしょうね」
「え? なんで私だったの? 私は一度しか会っていないのに?」と戸惑いました。
生前の彼女に会った偶然、そして私と会った直後に脳腫瘍になり3カ月で命を落とした彼女...。
怖くなった私は、彼女の家に入るとき、毎回「私の前に姿を現したら、私は即刻この仕事を打ち切ります」と心の中で彼女に伝えました。
それでも毎回トイレのドアは開きましたが、支援が終わるまで彼女の霊を見ることはありませんでした。
支援を続けて一年後、婚活を始めたという旦那さんにある相談をされました。
「見合い相手の家に亡くなった嫁が来たっていうんだけどどう思う?」
ええ!? と一瞬パニックになりつつも、思わず話してしまいました。
「だって彼女この家にいますよ。結婚には反対ってことかな?」
冷静を装い伝えた私に、旦那さんは言いました。
「そうだよね。相手の方も『前の嫁が反対するからやめます』って言ってきた」
現在、旦那さんは無事に再婚して幸せに暮らしています。
今度のお嫁さんは猫を8匹連れてきたのだそうです。
猫は魔除けといいますからね、お嫁に来た女性も霊感のある方とのことです。
今は、トイレの戸が開いたのは、彼女なりの「家にいるよ」という主張だったのかなと思っています。
不思議な体験をしたなと、しみじみと思うのでした。
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