家族同然で15年働いてきた職場なのに...言い合いの結果退職してしまったAさんを思う

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ペンネーム:すみれ
性別:女
年齢:56
プロフィール:15年間個人企業で事務として働いています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

◇◇◇

私は15年前から個人企業の事務職で働いています。そこには、男性の現場スタッフが3名。その中の1人のAは18歳の頃から社長の自宅に住込みで働き、社長とは仲の良い兄弟のような間柄。私が働き始めて約5年間は、私とAしかいなかったので、社長とAと私は仕事ばかりでなく、3人でよく飲みに行ったり、遊びに行ったりと個人的にも仲良くしていました。

社長は、仕事になるととても厳しく、細かい所まで気が回り、常に100%を求める人です。ですので、私とAが失敗でもするものなら「バカ、アホ、その位も分からないのか」など、大きな声の暴言が飛び交います。確かに社長の言うことも理解できるものの、すべてに理屈っぽく、昔のことも根に持つタイプ。同じことを言うにも、もっと言い方があるだろうにと、よくAと愚痴をこぼしたものです。

最初の頃は我慢して聞いていましたが、私もAもたまりかねて反発し、大声で社長と言い争うこともよくあり、私もAも何度「やめる」と言ってきたことか。
ただ、社長は思いやりもある人で、私の母が入院して働けない時は、その間の給与も支給してくれたり、Aに関しては、海外旅行に少なくとも年に1回は同行させてくれたりなど、気遣ってくれる面も多々あります。また、ある程度自分の思いをぶちまけても、多少は許してくれたりするので、私もAもどうにか、辞めることなく働けたのだと思います。

ただ、10年前、Aが結婚する時のことです。Aの実家は、経済的に苦しく、結婚式を挙げるお金もないことから、社長が全額負担しました。その代わりお祝い金をすべて社長に渡すことが約束でした。しかしAは、自分の分はすべて渡すが、奥さんがもらったお祝い金は奥さんの物、掛かった費用に不足があっても渡せないと言うのです。ですが、約束通りすべて渡して欲しいというのが社長の言い分。結果、私はどうなったか分かりませんが、それを機に徐々に社長とAの間に亀裂が生じ始めたのを感じました。

その頃、経営も拡大したことから、Aと同じ年齢の男性Bが入社することになりました。AはBとよく比べられるようになりました。Bはとても真面目で、作業が丁寧。社長は、私とAには暴言を吐いても、Bを注意する時には、怒鳴ることもなく普通のトーンです。それもAにとって不満の一つになっていたようです。その後も何やかやと社長とAは、仕事を通してもめることが度々ありました。ただそれは、Aが謝ることで収まっていたようです。

そして、今年の3月のことです。たまたま私が在庫確認のため現場に訪れた時、4tトラックの前で、社長とAが大きな声で言い争っていました。10分位の言い争いの末、Aは「やめます」と言うと、社長が「あー、やめろ、やめろ」と、両者共に凄い剣幕。Aは「やめてやる」と捨て台詞を言いその場を立ち去りました。

その後、社長からトラブルの理由を聞いたら、Aのトラックの止め方が、他のトラックに迷惑だと注意したら、Aが「それ位、分かっていますよ。荷物を降ろして、すぐに移動するつもりだったから」と言って、荷物を粗末に取り扱いながら降ろしていたそうなのです。そこで社長がまたもや注意したら、「はいはい。自分のやり方が気に食わないのだったら、辞めればいいのでしょう。やめますよ」と、言ったのが真相で、きっかけは些細なことでした。

今回ばかりは、さすがの社長も許せなかったようで、すぐにAは退職と処理されました。しかし、Aも悪いと思いながらも、今までのことが積もり積もって、些細なことでもそれが引き金となり爆発してしまったのでしょう。

しかし、長年家族の様に衣食住を共にし可愛がってくれた社長への感謝は一生忘れてはいけないと思います。いろいろありましたが、3人で過ごした日々は、今では遠い懐かしい思い出となりました。

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