変わっていく「我が家の年末の風景」...時代の移り変わりに寂しさが込み上げる

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:みょうえ
性別:女性
年齢:54
プロフィール:介護真っただ中で忙しく過ごしています。

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我が家では、毎年12月28日にお飾り用とお正月に食べるお餅をつくのが習慣です。

今から10年前までは毎年3家族、当時80代の伯母(母の姉)夫婦、60代の叔父(母の弟)夫婦、そして70代の私の父と母が集まりお餅をついていました。

まず、28日の2日前、26日からもち米と小米(精米などで砕けた米)を水に浸しておきます。

もち米だけでお餅を作る方がほとんどだと思うのですが、我が家はもち米一升に小米3合を混ぜるのが決まりです。

朝の7時から私の父と母がかまどで火をおこします。

かまどの上には三段のせいろがあり、昔ながらの方法でもち米を蒸します。

蒸し上がる8時くらいに伯母夫婦、叔父夫婦がやって来て、3家族が揃えば餅つきの始まりです。

石臼に杵でお餅をつきますが、この役割は伯母夫婦が行います。

その後、伯父が杵でつき、伯母がしゃもじでお餅をひっくり返し、お餅をついていきます。

長年やっているので、夫婦の息はピッタリです。

ただ、伯母夫婦も80代ですので、父や叔父も餅をつきます。

つきあがると、伯母はその熱いお餅を素手で石臼から出し、台の上でコロコロと長細くしてお餅を作っていきます。

一番最初のお餅は丸めて2段重ねのお飾り用にします。

これを6組作った後、残りは丸餅やあんこを入れた餡餅にしていきます。

叔母は熱いお餅を一口大に手で切っていき、ほかの人たちが丸めて並べていきます。

3家族分のお餅を作るので、ここまでを6回は繰り返します。

お餅を蒸してはついて、蒸してはついて...お昼前にようやく終わり。

かなり大変な作業ですが、みんなで世間話をしながら行うので、それも楽しいひとときでした。

私が子どもの頃は丸めるのが下手だったため、お飾り用のお餅を作らせてもらえず、いつか作れるようになりたいと思ったものです。

しかし、この行事にも10年前から変化が起きています。

みんな高齢になってきたため、杵でつくのが大変になり、餅つき機を購入しました。

そして、数年後、母の姉夫婦と父が亡くなりました。

今ではそれぞれの子どもたちも仕事で忙しく、餅つきに参加するのは母と私と母の弟夫婦の4人になりそうです。

時の流れによって変わっていくのは仕方がないことだとは思いますが、小さい頃から当たり前だった風景や人が徐々に変わっていくのがとても寂しいと思います。

もう数年たったら、この28日の行事はなくなってしまうかもしれません。

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