<この体験記を書いた人>
ペンネーム:たけのこのこ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫と中学生の子供が二人。週3回のスーパーのお惣菜を作るパート主婦です。
お父様が自殺した職場の同僚が、それから半年くらい経ったころに「○○に行ってくる」と言い出しました。
「○○」は占い師とか霊能者とかがたくさん住んでいるといわれている地名で、そこへ行く、と言えばこのあたりの人は皆「ああ、占ってもらいに行くんだな」と思います。
「突然なに?」と聞くと「父が今どうしているか知りたいって母が言うから」との返事。
私は初詣とか、お盆やお彼岸のお墓参りや、仏壇にごはんとお水をあげるなどはしますが、クリスマスにはにわかクリスチャンになるし、ハロウィーンも子どもと一緒にはしゃぐという典型的な無宗教の人間です。
占ってもらうのは、生きてる人なのでは...と思いましたが、彼女も彼女のお母様もひどく落ちこんでいるのを知っていたので、何も言えませんでした。
しばらくして彼女から「行ってきたよ」と、とても明るい報告を受けました。
お父様は今、成仏するための修行中で、蓮の花の上に座って座禅を組んでいると言われたそうです。
1時間ほど話して費用は2千円。
高いのか安いのか私にはわかりませんが、つい私たちの時給で考えると「もったいないなぁ」と思ってしまいました。
でも、彼女が何だか明るくなった気がしたので、2千円で気が晴れるならいいのかなぁ、とも思ったり。
ただ「修行には1年かかるから、1年経ったらまた来なさい、って言われた」というんです。
また行くのかと聞いたら、「また行く。2千円だったしね」とのこと。次も2千円とは限らないし、変なもの買わされたりとかしなかった? とは聞けませんでした。
そして1年後、彼女とお母さんはまたその占い師のところに行ったそうです。
「修行が終わってちゃんと成仏できることになったから安心して、ってお父さんが言ってる」ということでした。
お母様も安心されたようで、顔色もよくなり、食欲も出て来たそうです。
これはこれで良かったんだと思います。料金は、今回も1時間ほど話して2千円。
「2千円で安心できるなら安くない?」と彼女は笑っていました。「なにかあったら紹介してあげるから、あなたも行ってみるといいよ」。遠回しに断っても「大丈夫、噂で聞くほど怖いところじゃないし、怖かったらついて行ってあげるから。2千円だしね」と。
彼女の「信用する・しない」は2千円という金額が基準のようでした。
思ったより安かったから信用できるというのですが、これって金額の問題なのでしょうか?
考えようによっては、2千円って絶妙な金額だと思うのです。千円じゃ安すぎるような気がするし、1万円だと2回目、3回目の占いはパート主婦には予算的に難しいかもしれないし...。
次は娘さんの進路の相談に行くのだそうです。
安全圏を狙うべきか、ちょっと難関校を受験しても大丈夫かどうかを占ってもらうそうです。
そんな時間があったら勉強したら? とは絶対に言えません。
2千円だからとしょっちゅう行っていたら、やがてけっこうな金額になるのではないかと思うのですが、私にはそれを上手に伝える言葉が見つからず、なんだか複雑な気分です。
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