モラハラDV夫と別居して10年。
3年くらい前から、夫が連絡してくるようになり、下着や作業着を買ってきてと頼まれれば、買って渡していました。
数年ぶりに会った夫は、まるで浦島太郎のよう。
白髪頭のガリガリのお爺さんになっていたのです。
肺が苦しいと訴えていたこともあった夫。
憐みの気持ちから、私ができることは助けようと思っていました。
しかし、昨年10月に夫は自宅内で孤独死しました。
【前回】モラハラDV夫が急死。見送る人もいない直葬を終えた今、なぜか涙が溢れ出て...
誰も参列しない寂しい直葬を終え、夫は今、市役所に納骨されています。
夫が孤独死した現場へは、一人ではとても行く気になれなくて、1週間ほどたった後、息子と知り合いの30代男性に付き添ってもらい、中に入りました。
雨がしとしと降っていた11月の初旬、ひさしぶりに訪れた元我が家。
まず目に入ってきたのは夫が亡くなっていたと思われる居間です。
コタツの布団が、私が家を出た10年前のままになっていたのに、まず驚きました。
そして、コタツの上に、夫が愛用していたコーヒーカップと牛丼の空き容器があり、その生々しさに目をそむけたくなりました。
座布団が重ねられて、毛布が無造作に置かれていました。
夫は、ここで最後の晩餐をし、ここで横たわって息絶えたのだと思います。
息子でさえ怖いといっていた孤独死の現場は、寒さのせいもありガタガタと震えが止まりませんでした。
それでも、通帳や土地の登記簿などの貴重品を探しだし、持っていったカバンにつめました。
そして、私と子どもたちの逃げ場だった2階の子ども部屋にも行ってみました。
ここも10年前で、時間が止まっていました。
息子の高校受験の参考書が並んでいる机、私が使っていたベッドの寝具も、私たちが家を出た10年前のままだったのです。
台所に行ってみると、床が抜け落ちていて、新婚当時から使っていた食器棚の戸が壊れて外れていて、10年の時の流れを感じました。
お風呂はもう何年も入ってなかったようで、タイルが壊れていたのですが、そこには夫の作業着が干してあり、胸が熱くなりました。
つい最近まで、洗濯をしていたのがわかったからです。
廊下には私が飾っていた、小さい頃の子どもたちの写真立てがいくつもあり、私たち家族の幸せだった時間を思い出しました。
一緒に付き添ってくれた知人の男性が、家族の写真に囲まれて、家族と過ごした居間で亡くなって、旦那さんは幸せな最期だったのでは? と言ってくれました。
たぶん慰めだと思いますが。
夫が亡くなった部屋には、書類の山があり、ほとんどが督促状でした。
貴重品と、その書類の山と、2階にあったアルバムを持ち、その場所を離れました。
夫が最後に使っていたと思われる毛布と座布団は、どうしても触る気になれず、現在もそのままです。
不用品整理に関しては、その後、見積もりも頼みましたが、不用品整理が60万、家の解体が200万円と言われました。
手をつけるのは、不動産が売れてからになりそうです。
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