ショートステイに「行きたくない」という母の背中を押せない私

家族のこと、人間関係、これからの生き方...。一人では解決できないお悩みに、専門家がアドバイスします!

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今回のお悩み

ペンネーム:せつ
性別:女
年齢:59
プロフィール:認知症の母と自然に囲まれた田舎でふたり暮らしです。在宅介護とデイサービスを両立しながら頑張っています。

私の母は85歳のときにアルツハイマー型認知症と診断されました。私は、母の様子を見ながら在宅介護メインで母をサポートしてきました。それでも夜中に活動するようになったり、そうかと思えば1日中眠っているときもあったりと症状に波ができるようになっていったのです。初めはその日の母の体調や様子に合わせて私も付き合っていましたが、不規則な生活リズムが続き、私自身も体力と気力に自信がなくなっていきました。

そんなとき、お世話になっているデイサービスのスタッフにショートステイを利用するように声をかけてもらいました。今まではデイサービスを日帰りや1泊で利用することはありましたが、2泊3泊と連泊で利用したことはありませんでした。それでも私自身若くもないし、将来のことを考えて前向きに検討することに決めたのです。母には、すぐにこの話をしました。しかし、母のリアクションはイマイチで。もともとデイサービスに行くことが好きではなかったからです。

私はいつも「行きたくない」と言う母を送り出すことができずにいました。1泊のショートステイでも母に「家にいたい」と言われてしまうと背中を押してあげることができません。デイサービスに行ってしまえば楽しく過ごしているそうなので、きっと私が笑顔で送り出してあげれば母も楽しく過ごせるはずなのです。それなのにいざ見送るときになると、どうしても「行かなくても仕方ない」と思ってしまいます。これは母を甘やかしているのか、私が母離れできていないのか悩んでいます。

将来のことを考えるとデイサービスをできるだけ利用して母はもちろん、私自身も楽しく自分の時間を過ごすべきなのだと思います。送り出すための良い方法や私自身の気持ちの持ち方がわからなくなっています。母に「デイサービスは楽しい」、「デイサービスで楽しく過ごしてきて」と送り出すためにはどのようにすればいいのでしょうか。

専門家のアドバイス

送り出す時は笑顔で「大丈夫」を心がけて

デイサービスに出かける時に「行きたくない」「家にいたい」と言われると、上手く送り出すことができず悩まれているのですね。

それは、小さな我が子を幼稚園や保育園に送り出す状況に似ています。行ってしまえば楽しく過ごしているけれど、家を出るときにぐずるのは、大好きなお母さんに甘えたい心境です。

同じように、あなたのお母さんも、あなたが大好きで、甘えたいのかもしれませんね。その気持ちに応えたくなるのも当然でしょう。だから、決して甘やかしや母離れができていないわけではありません。将来的なことまで考え、デイサービスをできるだけ利用して、お互いの時間を大切に過ごすべきだとお考えのようですので、「行きたくない」と言われたら、にっこり笑顔で「大丈夫」と背中を押してあげましょう。

「行きたくない」は愛情のサインだと受け止め、しっかりと愛情をもって送り出してあげてください。

<教えてくれた人>

白蓮千沙(はくれん・ちさ) 1977年生まれ。日本プロカウンセリング協会1級心理カウンセラー。有保育士免許。

※健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。

※記事に使用している画像はイメージです。

 
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