日頃のモヤモヤやイライラ...人生を重ねると、さまざまな心配事が出てきますよね。そこで定期誌『毎日が発見』の「お悩み相談」コーナーから「読者の悩みと専門家のおこたえ」を抜粋してご紹介します。今回は、「なかなか言葉が出てこない高齢の母にイライラ...」というお悩みに、臨床心理カウンセラーの栃木かおりさんがアドバイス。さあ、あなたは...どう思われますか?
【お悩み】
なかなか言葉が出てこない母にイラッとしてしまう
私の母は82歳です。
最近特に動きが鈍くなったような気がします。
話すこともスムーズにはいかず、なかなか言葉が出てきません。
何を話したいのか分かるときは、私から「トマトがいい?」などと話しかけますが、分からないときはイライラして「○○さんのこと?」「昨日は○○だったよ!」などと強めに言葉をかけてしまいます。
やりとりがどんどん難しくなっています。
福岡県 H・Mさん(61歳)
【おこたえ】
あなたの言葉をちゃんと待っていますよ、という沈黙の時間も会話の一つ
まず5秒、沈黙してください。
どう感じたでしょうか?
会話中、沈黙が怖いと感じる人は、3秒の沈黙でも長い!と気が焦りますし、サービス精神旺盛な人は、何か話さなきゃ、とつい言葉を発して沈黙を破ろうとします。
ですが、何かを話そうとし、考え、思いをめぐらせている人にとっては、30秒の沈黙も長くは感じないものなのです。
まず、沈黙の時間も大切なことを知っておいてください。
また言葉を探しているとき、相手から言葉をかけられることで混乱し、さらに沈黙が長引くこともあります。
お母さんは何を言おうとしているんだろう?と思いを寄せながら待つ沈黙の時間も含めて会話なのです。
もちろん、助け舟を出す意味で先に言葉をかけることが必要な場合もありますが、まずは待ってみることで、お母様は安心して考え、言葉をつむぎだすことができると思います。
●栃木さおりさん(臨床心理カウンセラー)
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