みんなのケア

あらゆる腰痛の行きつく先「脊柱管狭窄症」。なりやすい人の特徴などを専門医・清水先生が解説

「脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」という名前はあまり聞いたことがないかもしれませんが、あらゆる腰痛の行き着く先とも言われています。
腰痛の主な原因は、悪い姿勢の積み重ね。予防や改善には、重心を正しい位置に戻し、腰の負担を体全体で補うことが重要だとされています。そこで今回は、清水整形外科クリニック 院長の清水伸一(しみず・しんいち)先生に「脊柱管狭窄症の原因やなりやすい人、改善方法」について解説してもらいました。

※この記事は『毎日が発見』2021年7月号に掲載の情報を再構成してお届けします。

筋肉の柔軟性と強化で腰痛と無縁の体になる!

「脊柱管狭窄症はあらゆる腰痛の行き着く先。発症した人は、必ず何らかの腰痛を経験しています。長引く、繰り返す腰痛には、注意が必要です」と、清水伸一先生。

腰痛の主な原因は、猫背や前かがみなど、悪い姿勢の積み重ね。

姿勢が悪いと体の重心がずれ、筋肉のバランスが片寄り、腰の負担が増加。

すると脊柱管の狭窄が進み、痛みやしびれが起こるように。

「腰痛の予防や改善には、腰の負担を体全体で補えるようになることが重要です。体を伸ばす、緩める体操や、体の深部の筋肉をつける全身運動で、重心を正しい位置に戻しましょう。体のバランスが整い、腰の負担も軽減。痛みやしびれもよくなります」 

「ゆるスクワット」は、一つの運動で、全身を効率的に強化できるもの。

腰痛のある人や脊柱管狭窄症の人でも行うことができます。

体の状態に合わせて、無理なく継続することが、腰痛知らずへの近道です。

あらゆる腰痛の行きつく先「脊柱管狭窄症」。なりやすい人の特徴などを専門医・清水先生が解説 2211_P034_01.jpg

あらゆる腰痛の行きつく先「脊柱管狭窄症」。なりやすい人の特徴などを専門医・清水先生が解説 2211_P034_02.jpg

脊柱管狭窄症とは

背骨の中にある神経の通り道である脊柱管が加齢などで狭まり、神経が圧迫され、足や腰に慢性的な痛みやしびれが生じる病気。圧迫される神経の場所によって症状は異なります。「歩くとしびれや痛みが出て歩けなくなり、少し休むとまた歩ける」を繰り返す間欠跛行(かんけつはこう)や、尿漏れ・便秘などの排尿・排便障害が起こることも。

気付きにくい初期症状
・腰が重い、だるい
・足腰が張る
・足腰にしびれや痛みが起こるが、すぐに治る

なりやすい人は?
・腰痛もち
・腰が曲がっている
・猫背
・後ろに反るのが苦手
・太っている

<教えてくれた人>

清水整形外科クリニック 院長
清水伸一(しみず・しんいち)先生

埼玉医科大学卒業。茨城県立中央病院、東京都社会保険中央総合病院、埼玉医科大学総合医療センターなどを経て、同センター整形外科医局長、講師を歴任。2006年より現職。日本整形外科学会専門医。

この記事は『毎日が発見』2022年11月号に掲載の情報です。
PAGE TOP