「二十数年前、まだ若かった頃の話です。当時働いていた会社のエアコンなし社宅に住んでいました。お金のなかった私は、エアコンなしで夏を乗り切り、その代わりに近くの海で過ごすことにしたのです。海に毎日通っていた私の顔は真っ黒、そして髪はすっかり茶髪に。その状態で出勤した私は、どうやら会社中をザワつかせてしまったようで...」

なぜか転職騒動にまで発展し...

とうとう課で一番偉い人に呼び出しを受けてしまいました。

会ったこともなかったその方は開口一番「転職するのか?」と笑いもせずに言いました。

予想外の言葉に「まさか、クビ?」と焦っていると、今度は穏やかに「不満があるなら話してくれるかな」の言葉。

どうやらその方は、「ガングロ・茶髪」になったのは会社への不満のアピールだと考えたようです。

そんな心配をさせてしまったのに、オチは考えもなく海に通っただけ...。

申し訳ない気持ちで正直に説明したのですが、あまりの情けなさについ顔がニヤついてしまいました。

すると上司の表情が豹変。

むずかる子どもを思わせる、癇癪が爆発しそうな顔になってきたのです。

そして「まったく、余計なことをして! そんな格好で仕事ができると思っているのか!」と怒鳴り、席を立って出ていってしまいました。

残された私はニヤニヤが止まらないまま、同席していた2番目に偉い人に見送られて部屋を出たのです。

今だって、必要以上に日焼けをしていたり、髪が茶髪だったりしたら、会社で注意されるかもしれませんよね。

今考えるとゾッとするくらい軽率な行動と態度で、よく左遷や減給されなかったものだと思います。

結局、肌はどうしようもないものの、髪は黒く染めるよう命じられ、お財布にも痛い思い出となりました。

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