――親しい友人にリュウ君のことを伝えることにためらいはなかったそうですね。
まるさん(以下、まる) 言おうかどうか、特に悩んだりはしませんでした。むしろ仲のいい友人には知ってほしかったし、話を聞いてほしかったのですぐに伝えました。「発達障がい」って、今はよく聞く言葉ですしね。友人たちもそんなに驚いたり、悲観することもなく話を聞いてくれたと思います。実は、こう言われるかな~と思っていたみんなの反応が大体当たっていて、「今の時代、子どもの成長のことで悩んでいる人多いからね~」とか、「私の知り合いも発達障がいのある子どもがいてね」とか。私が気にしないように考えてくれてるんだなと感じました。
――家族・親戚や知人を含め、否定されない環境"があることで、まるさんのメンタルにもいい影響を与えていることが伝わってきます。
まる 焦ることや悩むことが少なくて済んでいると思います。どんなに頑張っても息子の発達が定型発達のお子さんに追いつくわけではないし、そこを否定されてしまうと悩みも相談できないですからね。
――リュウ君もやがて小学校に通うようになりますが、そうしたお話もお父さんやお兄さんとしますか?
まる 進路については、「リュウとお前が楽しく生きられればいいよ」とか、「支援学級や支援学校でもいいから、リュウに合っているところを選びなさい」と言ってくれています。おかげで、私も穏やかな気持ちで先のことを考えられます。
――リュウ君だけでなく、療育に通っている他のお子さんの成長も喜んでいる場面も胸がジーンとしました。
まる お友だちの成長は本当にうれしいんですよ。療育でクラスが離れてしまったり、別の療育で知り合ったお友だちに久しぶりに会ったとき、「あ! 単語が増えてる!」とか「前は読めなかった数字が読めるようになってる!」と気付いたら、すぐにママに「これ言えるようになったの⁉ すごいね!」と思わず言ってしまいます。
否定したり、強制したりせず、ありのままのまるさんとリュウ君を受け入れ、できたことは思いきりほめてくれて、見守ってくれる友人や家族たち。そうした優しい輪の中で、リュウ君は彼なりのペースでゆっくり、でも確実に成長していくのだろう。
――最後にメッセージをお願いします。
まる まさか息子との生活を、こうして漫画にして発信させていただく機会をいただけると思いませんでした。発達障がいや育児で悩んでいる方々にとって少しでも参考になったり、共感を得てもらえていたら幸いです。最後に、読んでくれた方もたまたま見つけて読んでみてくれた方も、ありがとうございました! 育児はまだまだこれからも続いていきます。悩みすぎないように楽しく過ごしていきたいです」
「どうしてうちの子が!?」と悩み、苦しみながらも、少しずつ成長する息子の姿に力を得て、一歩ずつ前に進んでいくまるさん。発達障がいを「障がい」ではなく「個性」と思えるほど子どもに寄り添い、一緒に成長していく姿を『シンママのはじめて育児は自閉症でした』で見守っていこう。