「500万円くらい損を...」肉乃小路ニクヨさんが、個別株で失敗して得た「4つの教訓」

私の失敗談

まず、私の失敗談からお話しします。

私は20代後半に、銀行で外貨預金や投資信託などの投資商品の電話営業を始めた時から投資を始めました。新卒で入った証券会社は現場で働く前に辞めてしまいましたし、その後はワーキングプア的な派遣社員生活をしていたので、投資をする余裕などはなかったのです。でも、それでも第1章に書いた方法で、ある程度お金を貯めることができたので、少しずつ投資を始めることにしました。

まずは為替の動きがよくわかるように外貨預金を始めました。当時はニュージーランドドルが高金利で流行っていたので、ニュージーランドドルと米ドルを10万円ずつ買いました。また、日経平均株価に連動した投資信託も始めました。こちらもキリが良くて値動きがつかみやすい10万円から始めました。大まかな日本経済の動きを理解するためです。当時はつみたて投資という概念が私の中にありませんでした。恥ずかしながら私自身が不勉強だったこともありますが、当時は一般的につみたて投資はメジャーではありませんでした。私の感覚だとリーマンショック以降に投資に慎重になった投資家の間に広まり、2018年のつみたてNISA導入を機に広く一般的に言われるようになった概念だと思います。なので、市場の動きを見ながら、安い時に買い足すという手法で当時の私は投資をしていました。

「身銭を切る」という言葉がありますが、実際に自分のお金で投資をすると切実さが違うんです。仕事上、毎日為替や日経平均株価の動きは見ていましたが資産を持っていない時は「はぁそうですか」ぐらいにしか考えていませんでした。でも自分が実際にその資産を持つと、上がった時、下がった時「どうして?」ということをしっかり考えるようになりました。損得に直結しますからね。とても必死に価格の推移を見るようになったんです。

必死に見ながら、上がり下がりの原因と過去からの値動きの推移を考えて、仕事でお客さんに状況を説明していきます。つまり強烈なインプットとアウトプットを同時にするようになったのです。銀行だったので個別株(投資信託などではなく、いわゆる一般的に取引されている個別の会社の株)まではやっていなかったのですが、とても勉強になりました。また、当時はグローバルソブリンという外国債券に特化して、毎月配当を分配するような投資信託がシニア世代にとても流行っていたので、値動きを知り、説明して売るために買い足しました。

 

肉乃小路ニクヨ
経済愛好家、ニューレディー、コラムニスト。
渋谷教育学園幕張高等学校を卒業し、慶應義塾大学総合政策学部へ進学。大学在学中より女装をスタート。大学卒業後は金融業界で10年以上勤務し、お金のプロとして様々な提案を行う。証券会社、銀行、保険会社などを渡り歩き、夜は新宿2丁目の夜の社交場で、人間観察力を磨いてきた。42歳で退職し、その後はフリーランスとして、自分らしく生き、人生をバラ色にするために必要なお金との付き合い方を、多くのメディアで熱く発信する。千葉県出身。

※本記事は肉乃小路ニクヨ著の書籍『確実にお金を増やして、自由な私を生きる! 元外資系金融エリートが語る価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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