こんにちは。「さよのシンプルライフブログ」を主宰している原田さよと申します。
私はこのコラムで、苦手でも続けることのできた片付け方と、やる気を維持するコツなどについて書いてきましたが、今回は義母が片付け上手な人だったため「いざ」というとき大変助かったということについてご紹介します。
前回の記事はこちら→「大昔の服でも捨てられない!悩みに悩んで選んだ捨て方は、シンプルなものでした」
一人暮らしをしていた義母は昨年末に大腿骨を骨折し、現在は専門病院へ転院して毎日リハビリを受けています。
片付け上手な人の強みは、いざというとき発揮される
入院直後に見舞いに行った私に、義母はまっさきに、病室で必要なものを持ってきてほしいと言いました。年末年始にご近所でするお付き合いで必要なものを確認しておきたいとも(地方在住ですので、昔から続いている行事やお寺さんとの繋がりが今も残っています)。
感心したのが、痛みが強かったにもかかわらず、それら必要なものの在りかを迷うことなく義母がすべて言えることでした。怪我をした直後でも会話できる状態だったことにまず安堵しましたが、これは本当に助かりました。
たとえば、保険証や医療証、いま飲んでいる薬など入院時にまず必要なものを筆頭に、フェイスタオルの綺麗なものは納戸の引き出しの2段目の左、ビニール袋にまとめて「白・タオル」と書いてある。バスタオルの新しいのは3段目。半透明のポリ袋は台所の小さい方の食器棚の浅い引き出し。プラスチックのコップは大きい方の食器棚の開き扉の中という具合に、義母はどんどん説明します。
大事な書類なども預かるよう言われましたが、それらは、私なら想像できないような場所に保管してありました。
もし義母がこれらの収納場所を思い出せず、心配を重ねるようなことになっていたら、きっとお互い辛かったと思います。私も、自分の片付け下手を棚にあげ、「なんでちゃんと片付けておいてくれなかったの」と思ったかもしれません。
「いざというとき必要なもの」「確かめておきたいもの」の在りかが全て頭に入っていることは、家族の負担を減らすだけではありません。
本人にとっても、怪我以外のことで心が乱されることがないため、治療やリハビリに専念できるというメリットがあります。
片付けが暮らしを変える。私たちを変える。
病院へは車で20分あれば行けますので、洗濯物を貰いに行く日だけにせず、できるだけ顔を出すようにしています。今までとは違う場所だからか、お互い、昔のことやこれからのことをたくさん話すようになりました。
最近は義母もロビーに降りてきて、いっしょに珈琲を飲むようになりました。
病院へ通い始めたころ、帰り道にスマホで撮影しました。
義母とは、結婚後数年は同居したものの、
私も、もう若かった頃の私ではありません。「良い嫁」「良い母」「良い妻」であろうと無理をしませんし、わからないことや疑問に思うことは、遠慮なく義母に聞こうと思っています。私はこれが下手で、同居していたころ何度も失敗しましたから。
ダイニングのチェストを久しぶりに片付けました。
子供の頃から片付けが苦手で、50代に入ってからようやく重い腰をあげて家じゅうの片付けをはじめた私も、今は昔のように家が散らかっていることがなくなったので、このように穏やかな気持ちでいられるのだと思います。
部屋も頭の中も片付かないままだったら、今のように義母と話せなかったろうし、見舞いに行っても「散らかったわが家へまた帰るのか」と気持ちが沈んだと思うからです。
日頃の片付けは、自分だけでなく周囲も救う。
「いざ」というとき互いの不安が少しでも減らせるよう、身近な場所から着実に片付けておくことの大切さを実感する日々です。
原田さよ
FC2ブログ公式ブロガー。累計1350万PVを誇る大人気ブログ「さよのシンプルライフブログ」主宰。1963年生まれ。もともと片付けが苦手で、スッキリした暮らしとは程遠い毎日を送っていたが、50歳を節目に家の大片付けをはじめる。部屋が片付くにつれ、生きやすくなっていることに気付く様子を綴ったブロクが人気を集め、書籍化に至る。まもなく娘が結婚、近くに住む義母との2度目の同居も控え、コツコツと片付けを続けている。著書に『今日からだれでも、片づけ上手。モノ、迷い、重たい気持ちとサヨウナラ』(SBクリエイティブ)。