2015年に総務省が発表した"都市部から過疎地域への移住者"は約25万人に上り、自治体が相談会を行うなど"田舎暮らし"がブームになっています。のんびりとした田舎へ移住する理由や、田舎暮らしをする際の落とし穴はどこにあるのでしょうか?
田舎暮らしがブームに!
5月27日に放送された「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)では"田舎暮らし"を特集。実際に田舎へ移住して暮らしている人に密着しました。
番組のVTRには、10年前に東京都・杉並区から奥多摩町へ移住した佐藤さん夫婦が登場。2人は定年を機に田舎へ移住し、17畳のリビングや薪ストーブがある家賃4万円の3LDKログハウス風一戸建てへ引っ越し。越す前は老朽化が進んでいたたため、退職金の200万円を使ってリフォームしたといいます。
佐藤さん夫婦が田舎暮らしを決意した理由は、「仕事を辞めて定年後の生活を考えた時、23区内だと家賃が高く全体的に生活費がかかる」といった金銭面の問題や「田舎暮らしに憧れがあった」から。佐藤さん夫婦は年金(2人合わせて約30万円)と、たまに行く林業のアルバイトで生計を立てているそう。
この様子を見た視聴者からは、「初夏のキレイな風景みてて田舎に住みたくなくなった!」「俺も定年したら田舎に引っ越そうかなぁ...」「田舎暮らしいいなぁ。私は沖縄に住んでみたい」といった声が。
佐藤さん夫婦が住んでいる奥多摩町では、積極的に移住者を受け入れるためホームページに"移住者向け物件"を掲載しています。その中にはなんと"実質無償で土地付き住居を譲渡"する制度も。この制度では「世帯主が40歳以下の夫婦、または50歳以下で高校生以下の子どもがいる世代」かつ「15年以上定住すること」などを条件に"0円移住"が可能に。また、リフォーム代は200万円まで助成してくれるそうです。
田舎暮らしの問題点とは?
ブームになっている田舎暮らしですが、もちろん良い面だけではありません。同放送内では、"田舎暮らしの意外な落とし穴"も紹介されました。とある移住者は運動のため傾斜面に家を建てましたが、体力の低下で家の出入りが辛くなり"健康面による挫折"のため都会へ戻ってしまったそうです。
また"近所付き合いの意外なトラブル"も。はじめはお隣さん同士仲良くしていた住居者夫婦は、些細な口論がキッカケでお隣さんと不仲に。この揉め事が地域中に伝わると、住居者夫婦は地元住民から相手にされなくなり、地域に居づらくなって家を売却してしまったといいます。
番組に出演した「田舎暮らしの本」(宝島社)編集長の柳順一さんは、"田舎暮らしで失敗する人の特徴"を4つピックアップ。「家は見るが人は見ない」「草刈りに参加しない」「都会風を吹かす」「不便を楽しめない」という人が移住先で失敗していると注意を促しました。
田舎暮らしを考えている人は、参考にしてみてはいかがでしょうか?
文/藤江由美