モノを捨てると生き方まで変わるという「断捨離」。そのメソッドと実践法を、クラター・コンサルタントのやましたひでこさんに教えていただきました。
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断捨離で人生の新陳代謝を
なんとなく入ってきた大量のモノに対し、「もったいない」「面倒くさい」などの意識で捨てずに出口をふさいでいる家は、居心地の良さから遠い空間です。住まいはカラダの入れもの。住まいを新陳代謝させて整えると、カラダ、ココロも整い、命が健やかになります。
断捨離について、そのメソッドをご紹介します。
◆◆断捨離メソッド◆◆
断捨離はただの片付けにあらず
断捨離は捨てることから始まります。捨てる=出す。本当の意味でモノや暮らしを大切にするために必要なことです。自分とモノとの関係性を取り戻すために捨てる。捨てることは自分と向き合うことです。それは単なる片付けではなく、人生を大きく向上させる力もあります。
見切る力を身に付ける
モノを捨てるには「見切る力」が必要です。いまの自分に最適な選択・決断を身に付けるには、「いまの自分はどうありたいか」を考え、身近なモノから「断」と「捨」を繰り返すことです。断捨離を進めるうちに取捨選択や決断の精度が上がって、行動も素早くなります。何回も結果を出していくことで自己肯定感も高まり、人生の質も上がります。
断捨離でごきげんに生きる
大切なのは「ごきげんに生きる」こと。そのためのツールが断捨離といえます。住環境を良くすれば暮らしに流れが生まれ、人生に新陳代謝が起こります。自分があるがままでいられてごきげんであり、全体の調和がとれた状態。断捨離を続けると自然に至る境地になります。
モノの有効性ではなく、必要性に気付くことが大事
「まだ使えるから」というモノ自体に焦点を当てたモノ軸の観点で取捨選択すると、「とりあえず」「せっかくだから」とっておくという行動になります。そうではなくて、自分にとって必要かどうかという"必要性"に着目した考えが大切です。
モノではなく、空間を美しく保つためにモノを最適量に絞り込むという、空間を重視した"空間軸"の考えです。それに気付いたときに初めて、必要性のある取捨選択ができて、最適な量に絞り込むことができるのです。
断捨離はいわば転居しない引っ越しのようなもの。同じ場所で次元を上昇させるような住空間を作れば、新しい自分に出合えます。
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取材・文/細川潤子
クラター・コンサルタント。一般財団法人「断捨離○R」代表。ヨガの考えをもとに「断捨離」を提唱。書籍出版の他、さまざまなメディアを通して活動を展開。著書に『心を洗う 断捨離と空海』(高野山大学客員教授・永田良一氏と共著/かざひの文庫)、『人生を変える断捨離』(ダイヤモンド社)など。