ハンサムな男とマメで面白い男。女性に選ばれるのはどっち?/大人の男と女のつきあい方

ハンサムな男とマメで面白い男。女性に選ばれるのはどっち?/大人の男と女のつきあい方 pixta_38251795_S.jpg40歳を過ぎ、しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実。しかし、年齢を重ねても、たとえ結婚していても異性と付き合うことで人間は磨かれる、と著者は考えます。

本書『大人の「男と女」のつきあい方』で、成熟した大人の男と女が品格を忘れず愉しくつきあうための知恵を学びませんか?

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前の記事「憎たらしいほど鮮やかに別れる。それが大人の男のきれいな別れ際/大人の男と女のつきあい方(9)」はこちら。 

 

男は自分の見た目など気にするな

以前、イギリスの大衆紙『サン』のオンライン版で面白い記事を見つけた(2007年5月24日付)。

「WE ONLY DATE UGLY MEN」
という見出しの記事だ。訳せば「私たちはブサイクな男としかつきあわない」ということか。

その記事では三人の美女が紹介されていて、それぞれが、容貌としては誰が見ても美男とはいえない男性との生活がいかに幸せかを説いていた。そのうちの一人のヴァネッサ・アプトンさんの職業はモデル。彼女の記事の見出しは
「GOOD LOOKNIG MEN JUST BORING」......「いい男なんて退屈なだけ」である。

そのなかで、彼女は十数年間続けたモデル生活を顧みて、カメラマンからきれいだ、ステキだといわれながらシャッターの前でつくり笑いをし、美しい男性モデルに囲まれる日々をもの足りないものだったと語っている。

現在の彼とは写真つきで登場していたが、たしかにハンサムとはいえない。ただし、彼はスポーツマッサージが得意なマッチョマン。面白いジョークをいいながら、腰痛持ちのヴァネッサさんに二時間以上もマッサージをしてくれるのだという。

誰もが認める美人に「ハンサムな男とマメで面白い男、どっちをとるか」と尋ねたら、90%以上の美女は「マメで面白い男」と答える、と私は思う。

「いわゆるいい男は、一緒にいると疲れるんです。男の美しさに合わせて身のこなしや言葉遣いに気を使うのは面倒くさい」

私が生涯で出会ったなかで、間違いなくベストスリーに入る美人がそんなことをいっていた。彼女はただ美人であるだけではなく、アメリカでMBAを取得しコンサルティング会社に勤めたあと、自ら会社を立ち上げたほどの知性派でもあるのだが、こうも断言した。

「それに、いい男はすぐに飽きる。努力もせずに、何となく女性とうまくやって生きてきたから、サービス精神に欠けるし、会話にも面白みがない。多少、ブサイクでも、知的でジョークのセンスが上質で、ウィットに富んだ会話のできる男のほうがいい。そういう男は飽きない」

正鵠(せいこく)を射た言葉だと思う。
美女は生まれながらにして美女である。もの心ついたときから、何万回、何十万回となく鏡をのぞき、自分の整った美しい顔を見つめてきた。彼女の人もうらやむほどの美しさも、彼女にとっては「日常」にすぎないのである。

こと恋愛に関するかぎり、男女を問わず、人は「日常」に恋い焦がれることはない。自分にはないもの、自分とは無縁のもの、つまりは「非常」に対して恋心を抱く。

ただし、間違ってもらっては困る。美しくない人間のすべてが、美しい異性の心をとらえるわけではない。美しさに代わる、ほかのどんな魅力を備えているかが問題なのだ。

もし、あなたがある異性に心を動かされていて、その相手が高嶺(たかね)の花というほどの美貌の持ち主だったとしても、怯(ひる)む必要などどこにもない。むしろ自分は、相手にないものを持っているという自負をもってアタックしてみるといい。

恋愛においては、自分のルックスのレベルを斟酌(しんしゃく)して相手を選ぶ必要はない、ということだ。

 

「芸能界でいちばんモテる男優さんは誰ですか?」
かなり以前の話で恐縮だが、ベテランのある大物女優に尋ねたことがある。そのとき、驚くべき答えが返ってきた。

「いちばんかどうかはともかく、左とん平さんなんか、モテるわねえ」
左とん平さんには大変失礼な話だが、その答えを聞いた瞬間、私は思わず笑ってしまった。だが、その女優さんは大真面目だった。

「女優ってのは、人前ではいつもきれいでお行儀よくしていなくちゃいけないの。相手が二枚目だと、お互い疲れるのよ。男くらい、おしゃべりが上手で面白くて、肩の凝らない人のほうがいいわ」

現に、いまでも女性タレントとお笑い芸人のカップルは増えている。
男は自分の見た目など気にするな。同じ口説くなら、とびっきりの美人を狙ってみればいい。誰もが認める美人は「彼氏がいるに違いない」と、ほとんどの男が思い込んでいる。誰もがそう思っているから、誰も口説かないということもある。

親から受け継いだ顔かたちの不出来は、恋愛の不首尾の理由にはならない。十人並み、あるいはそれ以下でも、美人の恋人を持てる可能性は高い、くらいに思っておけばいい。高嶺の花と思ってあきらめるより、思い切って手をあげてみると、考えていたよりも案外低いところに、花が咲いているかもしれない。

  

次の記事「同棲や結婚を男女二人で開催する「闇鍋パーティ」に例えてみる/大人の男と女のつきあい方(11)」はこちら。

川北義則(かわきた・よしのり)
1935年大阪生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。文化部長、出版部長を歴任。1977年に退社し、日本クリエート社を設立する。現在、出版プロデューサーとして活躍するとともに、エッセイスト・評論家として、新聞や雑誌などに執筆。講演なども精力的に行なっている。主な著書に『遊びの品格』(KADOKAWA)、『40歳から伸びる人、40歳で止まる人』『男の品格』『人間関係のしきたり』(以上、PHP研究所)など。

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『大人の「男と女」のつきあい方』
(川北義則 / KADOKAWA)
「年齢を重ねても、たとえ結婚していたとしても、異性と付き合うことによって、人間は磨かれる」というのが著者の考え。しかし、40歳を過ぎてから、 しかも家庭を持つ男の恋愛は難しいのが現実です。 本書は、成熟した大人の男と女が品格を忘れず、愉しくつきあうための知恵を紹介。 いつまでも色気のある男は、仕事も人生もうまくいく!

 
この記事は書籍『大人の「男と女」のつきあい方』からの抜粋です

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