満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー「黄金色のテーブルで」/暮らしの晴れ間

静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「黄金色のテーブルで」をお届けします。

満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー「黄金色のテーブルで」/暮らしの晴れ間 2211_P004_01.jpg

形のいい葉を選んで汚れを拭き取り、カトラリーレストに。この時期だけのぜいたくです。

黄金色のテーブルで

銀杏(いちょう)は、もみじや楓(かえで)が色付いた後に、満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー。

晩秋の午後の日を受ければ、黄金色に光ってますます美しく、暮れゆく季節を感じさせてくれます。

ある日、小さな裏庭をリビングルームにしようと思いつきました。

近所の公園に足を運んで落ち葉をどっさり集め、はらはらとテーブルに散らして、ひとときお茶の時間を楽しみます。

季節の便りに葉を添えて

満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー「黄金色のテーブルで」/暮らしの晴れ間 2211_P004_02.jpg

友人に送る封書にも銀杏の葉を。晩秋ならではのしみじみとした空気が届きますように。

足元にはいつの間にか育った菊が...

満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー「黄金色のテーブルで」/暮らしの晴れ間 2211_P004_03.jpg

地面に敷いた煉瓦の隙間で、菊がひょっこりと花を咲かせました。底が割れて使えなくなったピッチャーを植木鉢代わりに寄り添わせ、北風から守ります。

銀杏の葉をティーマットのように敷き詰めて満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー「黄金色のテーブルで」/暮らしの晴れ間 2211_P005_01.jpg

銀杏の葉は、土やほこりをきれいに取り除いてからテーブルに。クロスには、若い頃に手作りしたパッチワークキルトを使いました。わた入りだから、寒さよけになるんです。おまけに、松ぼっくりもころがして。

【11月の定番料理】

卵とケッパーのトースト

満を持して黄色く染まる落葉樹のアンカー「黄金色のテーブルで」/暮らしの晴れ間 2211_P004_04.jpg

ケッパーの程よい酸味を効かせたトーストです。パンにのせたのは、とろとろのスクランブルエッグ。フライパンに少量のバターを熱して割りほぐした卵を加え、とろけるチーズの塩味もプラスして半熟に仕上げます。焦げ目がつくまで食パンを焼いたら、上記の卵をのせ、ケッパーを散らしてできあがり。食べ切れずに残りがちな瓶詰のケッパーを最後まで使えて、しかもおいしい一品です。

取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地

 

水谷昭美(みずたに・あきみ)さん

1951年生まれのガーデナー。静岡県熱海市在住。幼い頃から一途に独学で多くの植物を育て、憧れだった里山ののどかな暮らしを体現し続けている。熱海市の公園や駅の植栽を手がけたことも。

この記事は『毎日が発見』2022年11月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP