発芽直後の野菜の新芽(スプラウト)には、栄養がギュッと詰まっています。育てて、食べて、自然の恩恵を取り入れましょう。株式会社たねまき舎代表の島田忠重(しまだ・ただしげ)さんにスプラウトの育て方、管理栄養士の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに「スプラウトを使ったレシピ」を教えてもらいました。
スプラウトはここがスゴイ!
成長するための栄養を蓄えているスプラウトには、ファイトケミカルと呼ばれる栄養素やビタミンがたっぷり。毎日の生活に取り入れて、生活習慣病の予防に役立てて。
スプラウトの種類
ブロッコリー、アルファルファ、クレス(クレソン)、赤キャベツ、ケール、ゴマ、ソバ、チアシード、マスタードなど、さまざまな種類があります。味や香りが強いので、サラダや料理のトッピングにおすすめです。
種選びのコツ
発芽してすぐに食べるスプラウトを育てる場合は、種選びがいちばんのコツに。「農薬を使用していないもので、種を化学的に洗浄していないオーガニックなものを選ぶと、安心して食べることができます」(島田さん)
「天然のサプリメント」と呼ばれるスプラウト
近年注目を集める「スプラウト」。
スプラウトとは発芽したての野菜の新芽のことを言い、貝割れ菜や豆苗、もやしもスプラウトの一種です。
「スプラウトは、成長した野菜に比べて多くの栄養素が含まれています。例えば、いま注目されているブロッコリースプラウトには、抗酸化やデトックス作用が期待できるスルフォ
ラファンや、ビタミンC、β - カロテン、カルシウム等が多く含まれています」(成澤さん)
家庭で簡単に育てられることから、種から育てるミニ菜園がブームに。
「種さえあれば、気軽に始めることができるのが魅力。ヒマワリやソバ、ゴマ、バジルなど、市販されていないスプラウトもとてもおいしいので、いろいろなスプラウトを楽しんでみてください」(島田さん)
愛らしい姿のスプラウト。
育てて、食べて、二度楽しんでみませんか?
育て方
種から育てる際の注意点は、水だけを与えることと、芽が出て伸びるまで暗いところで育てること。「台所の下段収納で育てるのがおすすめです」(島田さん)
(1)用意するものは、この3つだけ
やや深めの容器、キッチンペーパー、種があればOK 。霧吹きがあると、水やりが便利です。
(2)種にたっぷり水をやり、暗いところへ
キッチンペーパーを折り畳んで容器に敷き、水をしっかり含ませて種をたっぷりまく。
(3)7~8cm程度に伸びるまで育てる
朝晩水をやりながら育てる。室温は20~25度が最適。暗い場所で育てるとしっかり育つ。
(4)日に当てて緑になったら食べ頃
窓際に置いて日光を当て、緑色が濃くなったら根元を切り取って収穫を。種類により、2~4
回の収穫が可。
簡単レシピ
スプラウトの栄養を損なわないため「生」で食べるのが、料理のコツ。
今回はブロッコリースプラウトを使っていますが、お好みのスプラウトで作れます。
スプラウトといかのすだち和え
1人分127kcal/塩分0.9g
材料と作り方(2人分)
(1)いか1杯はワタと軟骨を抜き、胴の中を水で洗う。胴は輪切りに、足は目から上を切り落とし、くちばしなどを除いて食べやすく切る。
(2)鍋に湯を沸かし(1)をさっとゆでザルに上げる。
(3)すだちの搾り汁大さじ1/2、しょうゆ小さじ1/2、塩少々、オリーブ油大さじ1を合わせ、(2)とスプラウト2パック、すだちの輪切り適量を和え、炒り白ごまを適量ふる。
【POINT】ゆでたいかは、水分をしっかり取って!
スプラウトと落とし卵のスープ
1人分78kcal/塩分1.3g
材料と作り方(2人分)
(1)鍋に水300mlと鶏がらスープの素大さじ1/2を入れて火にかけ、沸騰したら卵2個を割り入れる。
(2)白身が広がらないようまとめながら、弱めの中火で好みの加減まで火を通す。味をみて、塩気が足りないようであれば、塩少々でととのえる。
(3)スープカップにスプラウトを1パックずつ入れ、(2)をゆっくり注ぎ粗びき黒こしょう少々をふる。
【POINT】スプラウトは加熱せず、そのまま器に入れて
スプラウトの崩し豆腐和え
1人分80kcal/塩分0.7g
材料と作り方(2人分)
(1)木綿豆腐1/2丁はキッチンペーパーで包み、皿などの重しをのせて20分ほど水切りする。
(2)ボウルに(1)を手で崩しながら入れ、ごま油小さじ1、しょうゆ大さじ1/2を加えて和える。
(3)スプラウト2パックを加えて混ぜ合わせ、味をなじませる。味をみて塩気が足りないようであれば、塩少々でととのえる。
(4)器に盛り、刻みのり適量を散らす。
【POINT】食べる直前に和えるとおいしい
文・取材/和栗 恵 撮影/齋藤ジン 栄養計算/成澤文子