朝起きて鏡を見て、あまりの顔のむくみに驚いた経験がある人は多いでしょう。むくみの原因は、ズバリ「体内の水分バランスの乱れ」です。体内の水分バランスが乱れると、老廃物や余分な水分が流れにくくなり、むくみにつながります。老廃物や余分な水分を流すために効果的なのが、顔まわりや首のマッサージです。ここでは、むくみ解消に役立つマッサージ方法を紹介。たったの数分で終わるマッサージなので、忙しい朝でもスピーディーにむくみを解消できるでしょう。
どうして顔がむくむの?
顔がむくむ大きな原因の一つが、体内の水分バランスの崩れです。
一口に「水分バランスの崩れ」と言っても、その理由は多岐にわたるので、まずは理由を知るところからむくみ対策を始めましょう。
ここでは水分バランスが崩れる理由や、どんな人がむくみやすいのかについて解説します。
■顔のむくみは「余分な水分が皮下に溜まった状態」のこと
むくみの正体は、皮下(皮膚の下)に溜まった余分な水分です。
血液の流れが悪いと、体内の老廃物が滞ってむくみにつながります。
また一般的に、朝の起床直後は顔がむくみやすいとされていますが、この原因は「重力」です。
水は高いところから低いところに流れため、うつぶせ寝をしていたり枕が低すぎたりすると、水分が頭のほうに溜まり、朝のむくみにつながります。
夜になると足がむくんでしまうのは、同様に重力によって水分が脚部に溜まりやすくなるからだとされています。
うつぶせ寝や低い枕に心当たりがある人は、ひとまず寝る姿勢や枕の高さを変えてみてはいかがでしょうか。
■月経前はむくみやすいことも
女性に特有ですが、月経によるホルモンバランスの変化もむくみの原因の一つとされています。
月経周期のうち、排卵後からは「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌量が増加します。
プロゲステロンは体内に水分を溜め込みやすくするので、排卵後から月経前の期間はむくんでしまう人が多いです。
ただし、プロゲステロンの分泌量の多寡には先天的な体質も関係しているため、プロゲステロンを原因とするむくみの程度には個人差があります。
また体質に加え、ストレスや疲労、睡眠不足、季節の変わり目などによる体調の変化も、女性ホルモンのバランスを崩します。
ホルモンバランスの乱れへの対策として、大豆製品をはじめとするイソフラボンを含む食品は女性ホルモンのコントロールを助けるとされているので、食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
■前日にお酒を飲む
前日のお酒がむくみの原因かもしれません。
お酒がむくみを引き起こすのは、一言でいうと水分不足のせいです。
お酒には利尿作用があることから、水を飲まずにお酒ばかり飲んでいると最終的に脱水症状を起こします。
脱水状態だと体内の老廃物が流れにくくなり、むくみにつながるのです。
また大抵のお酒のおつまみは塩分が多いため、おつまみの食べ過ぎもむくみやすさを加速します。
お酒による翌日のむくみをできる限り避けたいなら、こまめに水を飲みながらお酒の席を楽しみましょう。
■塩分の摂り過ぎ
夜中にラーメンなど塩辛いものを食べた翌朝、やけに顔がむくんだという経験がある人は多いでしょう。
これは体内の塩分濃度を薄めるために水分を溜めこんでしまうからです。
基本的に、人体の水分量は「カリウム」と「ナトリウム」がバランスを取り合うことによって保たれています。
カリウムにはナトリウムの排出を助ける働きがあるので、塩分たっぷりの食事の際は、カリウムが豊富な食品を一緒に摂ってむくみ予防に役立てましょう。
カリウムが豊富な食品としては、アボカド、ほうれん草、切り干し大根、ドライトマトなどがあります。
ただし、腎機能が低下している人はカリウムそのものの血中濃度が高くなりやすいため、医師の指導に基づくカリウム摂取制限が必要です。
■ただし病気である可能性も!
むくみの裏に病気が潜んでいる可能性もあります。
むくみがサインとして表れやすいのは、特に「腎臓」や「心臓」、「肝臓」の病気です。
これらの臓器に異変が生じると排泄機能の低下、血行不良、血中水分の流出などの異常か発生し、そのサインとしてむくみが表れやすくなります。
対処法を試しても軽減しない場合や、全身のむくみが長期間続いている場合は、そのまま放っておかずに病院にかかりましょう。
顔むくみの解消マッサージの方法
ここからは、手軽に取り入れやすいむくみ解消マッサージを紹介します。
むくみを解消しやすくするには、マッサージで顔の血の巡りを良くして、余分な水分を排出することが大切です。
顔のむくみでも、顔だけを集中してマッサージするのではなく、首こりの改善から始めるのが効果的といえます。
マッサージをする際は皮膚を守るために、顔・からだ用のクリームやオイルを使って、手の滑りを良くしましょう。
またマッサージ前にクリームやオイルを塗った手をこすり合わせて、手のひらが温まった状態で行うのもむくみの改善に効果的です。
【ステップ1】首こりをほぐす
ステップ1は、首こりほぐしです。
首、特に鎖骨周辺にはリンパや血管、神経が密集しているため、鎖骨周辺の血流が悪くなると、老廃物も滞りやすくなってしまいます。
●首こりほぐしの方法
1.首を時計回り、反時計回りに3回ずつ大きく回す
2.首を伸ばした状態で、あごから鎖骨へと向かい、両手でゆっくりと首の前側をなでおろす
3.鎖骨のくぼみに手の指3~4本をあて、外側から体の中心に向けてやさしくなでさする
【ステップ2】顔まわりの筋肉をほぐす
首こりほぐしが終わったら、次は顔まわりの筋肉のマッサージです。
●顔まわりの筋肉マッサージ
1.両手の人差し指、中指、薬指をあごにあて、耳に向けてゆっくりと引っ張りあげるようになぞり動かす
2.耳の下に到達したら、そのまま指を肌から離さずに、耳の下からまっすぐ下に向かって首筋を鎖骨まで滑らせる
3.小鼻の両脇に人差し指、中指、薬指をあて、頬骨をじんわり刺激するように意識しながら耳の前のくぼみを目指してまっすぐ動かす
4.おでこの中心に、両手の指(親指以外)をそっとあて、外向きの円をこまかく描くようにこめかみへ向かってさすっていく
5.耳の後ろに人差し指、中指をあてて、鎖骨に向かって首筋をなでるように滑らせる
6.鎖骨のくぼみに人差し指、中指、薬指をあて、外側から中心に向かって片方ずつやさしくさする
マッサージが痛いときは無理をしてはいけません。
また長時間行う必要はなく、たった1分程度でも効果が期待できます。
【ステップ3】耳を刺激する
最終ステップは、耳のマッサージです。
耳には、むくみ解消を助けるツボが多いとされています。
特に体内の水分量調節を助けるツボや、腎臓の働きを助けるツボを押すことで、さらなるむくみ解消効果が期待できます。
●簡単 耳のマッサージ方法
1.耳全体を、根本からしっかりとつかむ
2.深呼吸を繰り返しながら、つかんだ耳を前回し、後回しに数回ずつゆっくり回す
3.回し終わったら、耳をつかんだまま、外側にゆっくりとやさしく2~3回引っ張る
耳をマッサージする際は、押す、もむ、引っ張るというすべての動作を気持ちいいと感じる程度の弱い力でゆっくりと行うのが肝心です。
顔のむくみには「ホットタオルと冷水」も効果的
マッサージ以外にも、「ホットタオル」と「冷水」の組み合わせがむくみ解消に役立ちます。
ホットタオルをまぶた中心に顔全体に2~3分あて、そのあと冷水で顔をすすぐことで、血管を拡張・収れんさせ、老廃物の流れがよくなります。
まず、用意した清潔なフェイスタオルでホットタオルを作りましょう。
注意点として、電子レンジを使うと発火する可能性があるため、タ金銀のキラキラした糸や化学繊維が使われていないタオルを選んでください。
●ホットタオルの作り方(電子レンジ)
1.タオルを水で濡らしたあと軽めに絞り、ロールケーキのようにくるくる丸めた状態でラップに包む
2.タオルが人肌より少し熱いと感じる程度(40度ほど)になるまで電子レンジで温める(500Wで30秒)
3.熱さが足りないときは時間を10~20秒に設定して、小刻みに温めるのを繰り返す
電子レンジで作る際は、温めすぎて肌がヤケドしないよう注意してください
また、逃げ場を失った蒸気により爆発する恐れがあるため、密閉容器を使うのはおすすめしません。
お湯でホットタオルを作る場合は、お湯の温度を45~50度にします。
むくみ解消マッサージで血の巡り&排出を促そう
むくみの原因はさまざまで、人によって違います。
むくみを効果的に解消していきたいのなら、まずは自分がむくむ原因を知って、むくみにくい生活へと変えていくことが大切です。
塩分の多い食事の時はカリウムの豊富な食品を一緒に食べるなど、少しの心がけが翌朝のむくみ軽減につながります。
顔のむくみをピンポイントで解消したいなら、マッサージを行って顔の血行を良くし、余分な水分や老廃物をスッキリと流してしまいましょう。