【ちむどんどん】複数の作画が入り混じる!? 視聴者の「難解な物語」の楽しみ方とは?

毎日の生活にドキドキやわくわく、そしてホロリなど様々な感情を届けてくれるNHK連続テレビ小説(通称朝ドラ)。毎日が発見ネットではエンタメライターの田幸和歌子さんに、楽しみ方や豆知識を語っていただく連載をお届けしています。今週は「視聴者の楽しみ方」について。あなたはどのように観ましたか?

※本記事にはネタバレが含まれています。

【前回】恋愛編スタート! 「過程」は描かれなくとも"恋の表情"を見せる役者たちの凄み

【ちむどんどん】複数の作画が入り混じる!? 視聴者の「難解な物語」の楽しみ方とは? pixta_74399049_S.jpg本土復帰前の沖縄本島・やんばる地域で生まれ育ったヒロインと家族の50年間の歩みを描くNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第13週。

今週は「恋愛編」2週目。

和彦(宮沢氷魚)への恋心に気づいた暢子(黒島結菜)が仕事に集中できなくなる中、フォンターナのスタッフが3人同時に退職届を出す。

そこでオーナー・房子(原田美枝子)が自ら厨房に立つ展開に。

2週連続で二ツ橋(高嶋政伸)不在のピンチを乗り越えたかと思いきや、3人同時退職とは、なかなか呪われた店だが、今週のメインは「恋愛」だ。

そして、暢子に話があるとやって来た愛(飯豊まりえ)に、自分も話があったと、いきなり先制パンチをくらわす暢子。

「うち、和彦君のことが好き。でもさ、諦める」と、わざわざ出向いた相手の話に耳を傾ける前に、自分の話をして、一方的にスッキリしてしまうのは、なんとも無邪気だ。

一方、部分的にヒリヒリするリアリティを見せつけるのは、教え子が不登校になった良子(川口春奈)。

子どもの声に耳を傾けず、一方的かつ高圧的に廊下に立ってなさいという教師は実際に結構いたが、この教師像だけ妙にリアルに描かれていることで、自分自身や子どもが教師にされたことをいろいろ思い出し、しんどい思いをした視聴者も多数いた。

そんな矢先、和彦への思いを断ち切る決意をした暢子は、和彦とあまゆで2人の時間を持つ。

そして、まもなく下宿を離れる和彦に、「引っ越すまでに海行こう。最後にパーッて騒ごう、みんなで」と提案すると、「2人でもいいけど...」と和彦。

慌てた暢子が包丁で指を切ってしまい、2人は急接近という展開が描かれる。

その一方、暢子に気持ちを伝えることも、暢子の気持ちを聞くこともないまま、智(前田公輝)は比嘉家を訪ねて優子(仲間由紀恵)に暢子との結婚について話す。

歌子(上白石萌歌)はショックを受けるが、そこから父・賢三(大森南朋)の過去を知る人物が訪ねて来て、賢三が民謡歌手を目指していたことを知り、民謡歌手を目指すと言い出す。

ある意味、智の暴走が、歌子の背中を押したかたちになったわけだ。

愛は東洋新聞での自身のキャリアアップのためにファッションの歴史の企画を出すことになるが、なぜか相談相手は婚約者の和彦に加え、ファッションに全く興味がなさそうな暢子と智。

しかし、暢子をメンズ2人(和彦、智)が持ち上げる中、暢子をきっかけに愛は企画の切り口を思いつき、その後、愛の提案で4人は海へ。

実は愛は、和彦と暢子が急接近した夜の会話を聞いていたのだった。

そして、愛は和彦にキスをし、「これでおあいこ」と微笑む。

ここで多くの視聴者の疑問はMAXに達していた。

「おあいこって、どういう意味?」

そもそも鈍感&無邪気&無神経な少年漫画的主人公の暢子が、唐突にベタな少女漫画的恋愛に突入したかと思えば、昼ドラ的ドロドロ感もあって...現時点で複数の作画が入り混じったような難解な物語が進行している。

しかし、「愛がヒロインだと思って観ることにする」「私は歌子をヒロインだと思って観ている」「なんなら暢子と愛が結婚するほうが楽しそう」などなど、独自の楽しみ方を開発している視聴者も多数。

ちなみにこの「恋愛編」はまだ続く...。

文/田幸和歌子

 

田幸和歌子(たこう・わかこ)
1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経て、フリーランスのライターに。ドラマコラムをweb媒体などで執筆するほか、週刊誌や月刊誌、夕刊紙などで医療、芸能、教育関係の取材や著名人インタビューなどを行う。Yahoo!のエンタメ公式コメンテーター。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など。

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