整理収納に目覚め、収納用品を山ほど買い込み、家中をきれいに片付けたけれど、家事がラクになったかというと、そうでもない。そんな体験、身に覚えはありませんか?
整理整頓には、「ものを減らす」だけでなく、「手間を減らす」工夫をすることが大切です。
本書『大人のラク家事』で50代からの片づけ&整理整頓の工夫を学び、家事をラクにしてゆとりある暮らしを楽しみましょう! 今回は12回目です。
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前の記事「スッキリ暮らすために。40歳はリセット適齢期/大人のラク家事(11)」はこちら。
片付けの先にある暮らし
片付けは目的ではなく手段です。片付けた先にどんな生活が待っているか?
どんな生活がしたいから片付けをするのか?
それをイメージできないと、なかなか先に進めません。
私の場合が、代表的な失敗例です。
ただでさえ時間がない毎日を、さらにゆとりのないものにしているのが、ものの多さであり、ものの管理の悪さだということは、よくわかっていました。
それなのに、「そうだ、ものを管理するために収納用品を買ってこよう!」と収納用品を買いあさり、見た目がきれいになるようにものを詰め込んだだけでした。
動線を無視した、目的のない収納をしているのですから、生活が快適になるはずがありません。でも、この失敗を経験して、はっきりした目的ができました。
片付ける目的を決める。
それは、ライフスタイルを決めること
私が本格的にものを片付けようと決めたのは、次の理由からです。
・ 好きでもないことに時間を費やすのは、やめたい
・ 雑多なもの、好きではないものに囲まれた生活は、やめたい
・家事をラクにしたい
・ 自分の好きなこと、やりたいことに時間を使い、人生を楽しみたい
片付ける目的を決めることは、ライフスタイルや生活習慣を決めることと同じです。
徹底してものを減らしてシンプルに暮らす、ものを隠して生活感なく暮らす、食生活に徹底的にこだわって暮らすなど、自分が形にしたい暮らし方を決めると、片付け方もおのずと決まってくるものです。
そして、「今、どんな暮らしがしたいのか」だけでなく、「近い将来、どんな暮らしがしたいのか」も描いておくと、いいと思います。
私は、自由に軽やかに生きていくためには、歳を重ねるに従って暮らしを軽量化していくことが大切だと思っているので、こんな計画を立てています。
〈軽やかに生きるための将来計画〉
・ 家電の買い替えは、よりコンパクトなものにする(買い替えない選択もあり)
・ 家具は手放すか、自分で動かせる程度のものに徐々に買い替える
・仕事を辞めたら車を手放す
・必要以上の在庫は持たない
・自分が楽しくない習慣は、無理してやらない
すでに、前々からやめたいと考えていた年賀状の習慣はやめました。小さな目標でも、それが一つ一つ実現していくと、やがて大きな夢も叶っていくものです。
・テーブルの上に、いつもものが置いてある
・廊下や通路にものがあって歩きにくい
・たんすやクローゼットの中が一杯で入らない
・文房具があちこちに散らばっている
これらは長い間、私がいつもストレスを感じて来たことです。でも、なぜ散らかるのか原因を探り、解決策を見つければ、ものはきちんと片付きます。そして、劇的に快適になります。
使わないものを捨てて、ものが管理できるようになった今は、「片付かない!」というストレスは一切なくなりました。
捨てなければよかったと後悔しそうで、ものが捨てられない人もいると思います。でも、本当に必要なものだったら、捨てるかどうかなど迷わないはずです。
100個手放した中で、1個だけ後悔するかもしれません。それでも、99個手放せたことで、住環境がスッキリして心も軽やかになったら、とても素敵なことだと思います。
次の記事「使いやすい収納のための5つの鉄則/大人のラク家事(13)」はこちら。
撮影/原田 崇、原田圭介
ブログ「Rinのシンプルライフ」主宰。整理収納アドバイザー1級。居宅介護支援専門員。片づけ・DIY・北欧インテリアが大好きで、シンプルライフを心がけている。最終目標である「軽やかで自由な老後」を迎えるために、快適な生活に役立つ整理収納法を探っている。
(Rin/KADOKAWA)
発売後、たちまち重版! 大人のためのラク家事のノウハウを一挙公開します。片付けや整理整頓は、それが最終目的ではなく、家事をラクにすること&リフレッシュするための自分時間を持つための手段です。そこで「ものを減らす」だけではなく、「手間を減らす」工夫を徹底的に考えました。すると、これまで「当たり前」だと思い込んでいた習慣ですらやめることができ、ゆとりができました。人気ブロガーRinさんがこれまで実践してきた「ラク家事」をまとめた1冊。