使えないと思われがちな野菜の廃棄部分。実は皮や軸、芯にも栄養があり、おいしく食べられるんです。「捨てる」を「食べる」に変えるエコレシピ、ぜひ試してみてください。今回は、管理栄養士・料理研究家の成澤文子(なりさわ・あやこ)さんに「キャベツを捨てない食べ方」を教えてもらいました。
キャベツ
かたい外葉や芯は食感が悪いと敬遠されがちですが、外葉はβ-カロテン、芯はカリウムやビタミンC、ファイトケミカル(※)が豊富。
「細切りなど刻むことで食べやすくなります。鮮度が悪くなると食感も栄養価も落ちるので、早めに使い切りましょう」(成澤さん)。
使うときは、しなびた外葉や黒ずんだ部分は除きます。
※ファイトケミカルは野菜の色素、香りなどの化学成分の総称。抗酸化作用があることで注目されている。
【捨てがち】
外葉:豊富なβ-カロテンで免疫力アップ
芯:美肌に役立つビタミンCが豊富
《もっと知りたい! キャベツのこと》
整胃作用があるので油の多いおかずに!
ビタミンU(別名キャベジン)はキャベツに特有の成分。胃の粘膜を修復し整える作用が期待されているので、とんかつなど油の多い料理に添えると効果的。
たくさんあるときはスープもおすすめ
キャベツに含まれるビタミンCは水溶性なので、スープにして汁ごと食べるのもおすすめ。加熱することでかさが減って食べやすく、ファイトケミカルも摂取しやすくなります。
コリコリとした食感も新鮮!
「キャベツの芯でメンマ風」
1人分54kcal/塩分0.6g
材料(2人分)
キャベツの芯...1個分(120g)
ごま油...小さじ1
(A)しょうゆ、みりん、水...各小さじ1
(A)鶏がらスープの素...小さじ1/4
ラー油(好みで)...適量
白いりごま...少々
作り方
(1)キャベツの芯は縦薄切りにする。
(2)フライパンにごま油を中火で熱し、(1)を1~2分炒める。Aを加えてからめる。
(3)器に盛り、ラー油をかけ、いりごまをふる。
※キャベツの芯が分量に満たない場合は、葉についている太い芯を斜め薄切りにする。
彩りもきれいに仕上がります
「キャベツの外葉のお好み焼き風」
1人分137kcal/塩分0.9g
材料(2人分)
キャベツの外葉...2枚(100~120g)
卵...2個
かつお節...1袋(5g)
サラダ油...小さじ1
中濃ソース、マヨネーズ、青のり...各適量
作り方
(1)キャベツの外葉はみじん切りにする。卵は溶きほぐし、かつお節を加えて混ぜる。
(2)フライパンにサラダ油を中火で熱し、キャベツを炒める。しんなりしたら(1)の溶き卵を加えて全体に広げ、火が通ったら半分に折り畳む。
(3)器に盛り、ソース、マヨネーズをかけ、青のりをふる。
さっぱりした味わいの手軽な一品
「キャベツの外葉とハムの甘酢炒め」
1人分58kcal/塩分0.6g
材料(2人分)
キャベツの外葉...2枚(100~120g)
ハム...2枚
赤とうがらし...1/3本
ごま油...小さじ1
(A)酢...小さじ1
(A)砂糖...小さじ1/2
(A)塩...少々
作り方
(1)キャベツの外葉は繊維を断つように2mm幅に切る。ハムは半分に切って細切り、赤とうがらしは種を除いてちぎる。
(2)フライパンにごま油、赤とうがらしを入れて中火にかけ、温まったらキャベツ、ハムの順に加えて炒める。全体に火が通ったら、Aを加えて調味する。
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取材・文/坂本典子、佐藤由香(シェルト* ゴ) 撮影/難波雄史