処分の前に使えないかを考えて
片付けや大掃除の時にもう1つ知っておきたいのが、捨てずに生かすという考え方。「捨てられないものを無理に捨てることはありません。いまはリサイクル(再資源化)、リユース(再利用)、リペア(修理)も注目を集めていますから、使うのも選択肢の1つです。たくさんの思い出がありますから、いまこそものを懐かしみ、楽しむ時期と考えて」と話すのは、片付けのプロとして知られる古川めぐみさん。
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最近はきものやジュエリーをリフォームしたり、手持ちの写真を写真集のように仕立てたりと、さまざまなサービスもあります。「もう一度使うことで家族の絆を感じたり、大事なものに気付く、やり残したことに向き合うなど、自分を見つめるきっかけにもなります。ものは年々劣化していくので、物置にしまいこんでいると使えるものも使えなくなってしまいます。この機会に、気持ちにも環境にも優しい使い方に挑戦してみてください」。
【生かし方のポイント】
きもの -生地の一部で服や小物にリメイク-
きものは古布としてリサイクルできますが、簡単には処分できないもの。着ないけれど捨てられないものがあるなら、リメイクするのも一案。生地や帯をアロハシャツなどの洋服、日傘、バッグ、ポーチなどのデザインにできるので、いまの時代のセンスでもう一度楽しめます。
アロハシャツに
日傘に
バッグに
家具 -用途にとらわれずに見方を変えて-
古い家具はアンティークとして若い世代にも大人気。レトロな色や懐かしい質感が、逆に新しさを感じさせてくれます。上手に生かすコツは、元の用途にとらわれないこと。例えば造りがしっかりして機能的な和家具は、文机をセンターテーブルにしたり、本棚を食器棚にしたり、さまざまに使えます。
文机をセンターテーブルに
ジュエリー -リフォームで形を変えて再活用-
婚約記念の立て爪ダイヤモンド、形見分けでもらったネックレスなど、眠らせているジュエリーがあったらリフォームを。ショップではさまざまなリフォームデザイン例を持っているので、予算と好みに合わせて選ぶだけ。箱に入れっ放しにするより、大切に使えるようになります。
立て爪指輪をネックレスに
写真 -デジタルデータにすると楽しみ方いっぱい-
デジタル時代になり、美しい画像で、しかもコンパクトに思い出を残せるようになった写真。昔撮ったネガやプリント写真はCDやDVDなどのメディアに残したり、フォトブックにしたり、さまざまな形で保存できるようになりました。デジタルデータにすればパソコンや携帯電話に保存したり、子どもや孫への引き継ぎも簡単です。
携帯やスマホで撮影
トロフィーや賞状、子どもの作品など、かさばるものは写真で残すのがおすすめ。子どものものなら、子どもに選ばせたり、一緒に持たせて撮影しても楽しいです。
取材・文/佐藤由香 撮影/木下大造
古川めぐみ(こがわ・めぐみ)さん
アメイジー(株)代表。個人宅の遺品整理や終活整理、片付け作業の依頼を請けおう。リサイクルやリユースも積極的に推進。H Pはhttp://www.amazy.co.jp/