92歳の私がスタスタ歩ける意外な理由。家の中でも体は鍛えられる、私の身軽な暮らし方

『92歳、好き放題で幸せづくし』 (粟辻早重 /KADOKAWA)第1回【全8回】

92歳になった現在も、デザイナーとして創作活動に忙しい日々を過ごす粟辻早重さん。彼女の著書『92歳、好き放題で幸せづくし』(KADOKAWA)は、大人世代がその先の人生を自分らしく彩るためのヒントが詰まった一冊です。驚くことに、粟辻さんが陶芸やギターに挑戦したのは90歳を過ぎてから。日課の縄跳びや散歩も、「健康を維持しなきゃ」という義務感からではなく、「自分が楽しいから」続けています。食事もまた、献立をスケッチして器を選ぶ時間を慈しむような、丁寧な暮らしを大切にする一方で、大好きなコーラやカップ麺も我慢しません。年齢という枠を軽やかに飛び越え、今この瞬間を味わい尽くすその姿は、私たちに「老い」への希望を届けてくれます。

※本記事は粟辻 早重  (著)による書籍『92歳、好き放題で幸せづくし』から一部抜粋・編集しました。

リビングルームは私のパーソナルジム

私は、歩くのが速いみたい。娘と一緒に歩くときも、急ぎ足でついてくるのは娘のほうです。意識して速歩きをしているわけではありません。これが、私の体にしみついたペースなんです。

夫は、背の高い人でした。どこへ行くときも、夫の隣が私の定位置。寒い時期には、つないだ手を夫のコートのポケットに突っ込んで歩くのが私たちの習慣でした。

夫婦で並んで歩くうちに、私の歩幅が夫に近づいたんだと思います。夫が亡くなって30年以上たつけれど、私は今でも、体のサイズや年齢に似合わない大股でスタスタ歩き回っています。

歩くことが苦にならないのは、普段の生活のしかたも関係しているかもしれません。自宅は中2階のある3層構造で、リビングルームとキッチンは1階、バスルームや寝室は中2階。1日に何度も階段を上り下りするのは、私にとってはあたりまえのことです。

ちょっと疲れたな、なんてときはマッサージチェアで体をほぐしますが、マッサージチェアが置いてあるのは3階。だから、ひと休みする前後にも階段の上り下りをすることになるんです。

若い頃からずっと、絵を描いたりものを作ったりと手先を使うことが多い仕事を続けてきたせいか、作業の合間に「体を伸ばす」ことも習慣になっています。以前は、壁や柱に手をついてストレッチをしていたけれど、今は「ブランコ」が日課です。

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ブランコにぶら下がるだけでも、かなりのストレッチ効果があります。

ブランコといっても、公園にある遊び道具のようなものではありません。使うのは、リビングの高いところに取り付けた専用のバー。ここにぶら下がり、前後にゆらゆらと体を揺らすのが私のブランコです。

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ブランコ用のバー。職人さんにつけてもらった頑丈なものなので、安心して使えます。

1回10秒ぐらいですが、肩から背中、腰のあたりまでがシャキッと伸びて気持ちがいいです。自分の体重を支えるだけですが、やってみると意外に力が必要なんです。1日に数回ブランコを続けているため、測ったことはないけれど、私の握力は年齢の割に優秀なんじゃない?と思っています。

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愛用している縄跳び用のロープ。少し重みのある、なかなか本格的なものです。

ブランコに加えてもうひとつ、15年間続けているのが縄跳びです。きっかけは、孫が縄跳びをしていると聞いて試してみたこと。何気なくやってみたら、見ていた家族に「速い!」「上手!」なんてびっくりされて......。どうやら私には、縄跳びの才能があったみたいです。

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縄跳び上手(?)の私にとっては、ゆっくり跳ぶほうが難しい!

それ以来、寝る前の縄跳びも欠かせない習慣になりました。縄跳び用のスペースは、吹き抜けになっているリビングの窓際。ロープが引っかからないよう、何も置かないスペースを確保してあります。

家族がプレゼントしてくれた愛用のロープで、タタタタタッと30回。一度も引っかからずにできると、「よし!」とうれしくなります。

連続30回跳ぶのが理想なので、途中で引っかかったときはやり直しです。

......まあでも、「28回目で引っかかっちゃった!」なんてときは、できたことにしちゃうんですけどね。

 
※本記事は粟辻 早重 (著)による書籍『92歳、好き放題で幸せづくし』から一部抜粋・編集しました。

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