キャッシュレス化への第一歩「インターネットバンキング」のススメ

現金を持ち歩かなくても支払いができる「キャッシュレス社会」が近づいています。不安に感じますが、どのように付き合って行けばいいのでしょうか? 東洋大学経済学部教授の川野祐司先生にお聞きしました。

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「キャッシュレス」と上手に付き合い、豊かに

銀行口座を使った支払いや入金、電子マネー、仮想通貨、電子通過...。キャッシュレス化と一口に言ってもさまざまなサービスがありますが、私たちはどのように付き合って行けばいいのでしょうか。

川野先生に聞くと、「まず何か一つ試してみるのがいいと思います。それが自分に合っていると感じるなら、ほかのサービスの利用も検討してみてはどうでしょうか」

そんな川野先生がキャッシュレス化の第一歩として、パソコンやスマートフォン利用者におすすめしているのが、インターネットバンキングです。

銀行窓口やATM(現金自動預け払い機)に行かなくても、パソコンやスマホからインターネット経由で口座からの振り込みや残高確認ができるサービスなのですが、いまや多くの銀行で使えます。ほとんどの場合、銀行窓口で手続きをするだけで始められ、手間もかかりません。銀行窓口やATMに行って現金を下ろしたり振り込んだりというのは時間も手間もかかります。自宅のパソコンやスマホからできれば、楽ですよね。

それだけではありません。ATM維持のために銀行は多額のコストを負担しているのですが、「これを銀行が負担し切れなくなる時代が近々来ると思われます。そうなると、ATMはいま以上に手数料がかかるようになるでしょう」。インターネットバンキングはATMの常時有料化への備えにもなるのです。

ただ、キャッシュレス化にはデメリットも当然あります。現金と違いどれだけ使ったかが分かりにくいため使い過ぎると、特にクレジットカードでは「カード破産」に陥ってしまうことも。また、ICカード型の電子マネーも、チャージできる金額に上限があったり、発行元が経営破綻した場合はその電子マネーの価値がなくなってしまったりと、注意すべき点があります。

それらの注意点も知った上で、まずは身近にあるサービスを試してみては、と川野先生。「一度試して、合わなければやめればいい。そう考えると、気楽になりませんか?」。選ぶ際の注意点は、「値引きやポイント還元というのは、一過性のもの。あくまで自分の生活に合うかどうかで判断しましょう」。

キャッシュレスは特別恐ろしいものではなくて、私たちの生活をより快適にしてくれるサービス。そう思うと、怖がらずに便利な部分は利用させてもらおうという気持ちになりますね。

キャッシュレス社会との賢い付き合い方のまとめ

・「キャッシュレス」はすでに私たちの身の回りの生活に入り込んでいます。

・すでに現金のみで生活しているという人は少数派になっています。

・「キャッシュレス」の分類は、大きく分けると4種類。

・銀行口座への振り込みやICカード型の電子マネーは、現在多くの人が利用しているものです。

・まずはインターネットバンキングなど、身近にあって便利そうだと感じるサービスから試すのがいいでしょう。

・値引きやポイント還元目当てではなく、自分の生活スタイルに合うかどうかで判断し、取り入れましょう。

 

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取材・文/仁井慎治

 

 

 

<教えてくれた人>

川野祐司(かわの・ゆうじ)先生

東洋大学経済学部 国際経済学科教授。1976年生まれ、大分県出身。ヨーロッパ経済論、国際金融論などが専門。キャッシュレス化社会の研究も進めており、日本キャッシュレス化協会代表理事を務める。著書に『キャッシュレス経済 21世紀の貨幣論』など。

この記事は『毎日が発見』2019年7月号に掲載の情報です。
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