大好きな妻との日常を描いた『ふうふの日記マンガ』をSNSに投稿している漫画家・カレーとネコさん。ラブラブ夫婦の日常が多くの読者から人気を集めていました。そんなある日、妻の体調が突然悪化。検査の結果、国の難病に指定されている進行性の病気「リンパ脈管筋腫症」であることが発覚します。入院、手術、リハビリ...ガラッと変わった2人の生活。それでも自分たちのペースで、少しずつ「2人の日々」を取り戻してく夫婦の姿に...。
夫婦で支え合う姿にじんわり心が暖かくなると話題のコミックエッセイ『大好きな妻が難病になった話~ふうふの日記マンガ~』。電子書籍化を記念して、作者のカレーとネコさんに本書に込めた思いを聞きました。
『大好きな妻が難病になった話~ふうふの日記マンガ~』(カレーとネコ/KADOKAWA)
――病気になる前と今とで二人の関係性に変化はありましたか?
カレーとネコ:この質問をいただいて妻とも話したのですが、病気の前と変わっていないかも...という結論になりました。もともと深刻に考えすぎない性格なのもあるかもしれません。妻に対しては今まで通り普通に接しています。難病になってしまったのですが妻の人柄自体が変わらなかったので、こちらも変わらないままでいられたことを妻にはとても感謝しています。
――妻さんの闘病をサポートする上で心掛けていることなどはありますか?
カレーとネコ:やはり肺の病気ですので、一緒に歩く時にゆっくり歩を進めたり、階段をできるだけ使わないような道を選んだり、もし階段しかない場合でも途中で休憩を挟んだりできるようにしています。そのおかげで今まであまり使っていなかったバスなどの公共交通機関やエレベーターの位置などにも詳しくなりました。
――酸素吸入装置をつけての生活はどのような困難がありますか? また日々の生活で工夫していることなどはありますか?
カレーとネコ:酸素吸入装置はとても便利でかなり助けてもらっていますが、重さが2キロほどあるので持ち歩くのが大変でしたね。雨が降ると(雨よけカバーなどはありますが) キャリーカートで引くことができず手で持つ事になるので、僕が一緒にいるときは僕が持つようにしていました。あと、慣れないうちはエスカレーターに乗るとき手を離してしまわないか心配だっ たり、夜寝る際に鼻の管と酸素吸入装置の音が気になって寝る際にとても苦労していたようでした。
――妻さんの病気を経験してきたからこそ実感していることとして、もしもパートナーが病気などの困難に直面した時、支える立場としてどんなことができると思いますか?
カレーとネコ:そういった場面でも、パートナーが病気をする前と近い環境でいられるように動いてあげるといいのかなと思います。妻が緊急入院した際、僕は妻がいつも可愛がっているぬいぐるみを一緒に持っていったのですが、それがとても嬉しかったそうです。あとは支える側が倒れないように気を付けたり、普段2人がしているやりとりから離れることがないようにするのも安心を感じますし大事だと思います。相手に無理をしないようにしてもらうのが1番です。
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入院、手術を経て生活は大きく変わったけれど、二人の関係性は病気をする前と全く変わらなかったと語るカレーとネコさん。どんな時も「いつも通り」を重ねていくことこそが夫婦にとって一番大切なことなのかもしれませんね。
取材・文/宇都宮薫