高齢者が増える一方の現代社会、さまざまな介護用品が市場に出回っています。でも「どんな意図で作ったのか」「使ってみて実際どうなのか」が分からず、購入に迷っているかたや、ユーザーの意見を知りたいかたも多いのではないでしょうか。
そこで「毎日が発見」編集部がオススメしたい介護グッズをピックアップし、製品開発者の思いなどを紹介します。今回はひざサポーターを取り上げます。
「グッドムービングひざサポーター」サイズはM(32~38cm※ひざ頭の周囲のサイズ。以下同)、L(36~43cm)、XL(40~46cm)の3サイズがあり、4,400円+税
サントリーウエルネスとミズノが共同で企画したひざサポーター
要介護になる原因として、厚生労働省の平成28年度国民生活調査によると、骨折・転倒や関節疾患が認知症と並んで問題になっています。さらに、加齢とともにひざの筋肉に衰えを覚えたり、ぐらついたり、曲げ伸ばしで違和感を感じて、不安になっている人の声も聞かれます。このようなひざに関するさまざまな問題を抱えていらっしゃる方の悩みを解消したいと、サントリーウエルネスとミズノが「グッドムービングひざサポーター」を共同で企画しました。
3Dグラフィックで解析して立体的に設計
サントリーウエルネスが約20年にわたって研究してきたひざの老化に関するサイエンスとミズノのテクノロジーを融合。ミズノが人体の動きにおける皮膚の伸縮量や方向などを3Dグラフィックで再現しました。コンピューターでシミュレーションしながら解析して、独自の立体設計「ダイナモーションフィット設計」を採用。動きやすく快適な装着感と屈曲性により筋力バランスをうまくサポートできるようにしています。そのほかにも、両サイドには動きに合わせてしなやかに曲がる「フレックスチューブボーン」を内蔵。これによりサポーターのズレやぐらつきを抑え、筋力をサポートしてひざの曲げ伸ばしの違和感を軽減しています。
両サイドに1本ずつ屈曲性のある「フレックスチューブボーン」を配置し、ひざの曲げ伸ばしの際に違和感を軽減。サポーターのズレ落ちも抑えています
色は肌馴染がよく、女性にニーズの高いベージュに。抗菌防臭竹炭繊維と抗菌防臭加工ポリエステルを採用。
ひざのお皿の下に特殊素材を配置し衝撃を軽減
床にひざをついたときに衝撃を軽減できるように、お皿の下には「パテラパッド」というクッション素材を配置。お皿部分を囲むような形状にすることで安定性をキープしました。また、動きに合わせて生地が伸び縮みするよう伸縮性を考慮したほか、脱着がスムーズにできるよう筒型に。さらに、むれないようにひざの裏をメッシュ生地にしたほか、抗菌防臭加工を施したポリエステルを使用し、菌の増殖と嫌なにおいを抑えるよう工夫しています。
ひざのお皿の下には「パテラパッド」というクッション素材を置き、ひざをついたときの衝撃を軽減
機能が認められて「人間生活工学認証」を取得
人間生活工学認証とは、人間生活工学研究センターが人間生活工学ガイドラインにもとづき、科学的・光学的に開発されて情報公開された製品のみが認証されるもの。ひざのぐらつきを抑えて安定させる機能が認められて取得しました。
実際に試着してみると、動いてもズレにくく、しっかりとしたサポート感を実感。床にひざをついても衝撃が少なく、床の拭き掃除の際にも活躍しそうです。
そのほかにも、骨盤を安定させておなかの圧力を高めることで筋肉バランスを整え、ぐらつきを抑える「グッドムービング 腰サポーター」。歩行時のひざの内側にかたよった負荷を軽減する「グッドムービング ウォーキングシューズ」も販売していますので、用途に合わせて利用しましょう。
腰を保護して安定させる「グッドムービング 腰サポーター」は、M(70 ~80cm※ウエスト周囲。以下同)、L(80 ~90 cm)、 XLサイズ(90~100cm)の3サイズあり、11,000円+税
「グッドムービング ウォーキングシューズ」は「ひざ誘導ソール」により、歩行時のひざの負担を軽減。快適な歩行をサポートしている。サイズは22.5cm~24.5cmで、16,000円+税
「このサポーターでひざに問題を抱える方の悩みを解消できればうれしいです」サントリーウエルネス 商品企画部の高田めぐみさん。
取材・文/中沢文子 撮影/吉澤広哉