プラスチックのリサイクル方法には、3つの種類があります。
1つ目の方法は「マテリアルリサイクル」。
プラスチックゴミを、粉砕・洗浄して、フレークやペレットといわれる状態にしたものを原料に、新たなプラスチック製品をつくるリサイクル方法です。
マテリアルリサイクルを繰り返すとプラスチックが劣化し、製品の品質は落ちていきます。そのため、何度でも無限に使える方法ではありません。現在、プラスチックリサイクルの24.7%が、この方法です。
2つ目のリサイクル方法は「ケミカルリサイクル」。
これは、プラスチックを加熱したり圧力をかけたりして、分子レベルで分解して再利用する方法です。この方法だと、新品と同レベルの高品質なプラスチック製品をつくることができるほか、石油製品に戻したり、水素や炭素をガスの状態で回収したり、製鉄原料として活用するなどさまざまな形で再利用することができます。
この方法はマテリアルリサイクルに比べてより無駄なく再利用できるものの、設備にお金がかかるなどの理由から、リサイクル全体に占める割合は、わずか4%しかありません。
マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの2種類のリサイクル方法は、プラスチックゴ
ミを新しいプラスチック製品に生まれ変わらせる方法です。「リサイクル」と聞いたときに、多くの人が想像するのが、この「生まれ変わり」タイプのリサイクル方法ではないでしょうか。
しかし、これらの方法はリサイクル全体の28.7% しかありません。では、残りはどんな方法でリサイクルされているのでしょう?
残りのおよそ7割を占める方法が「サーマルリサイクル」といわれるプラスチックゴミを燃やして生まれる熱を蒸気に変えて発電したり、暖房や温水プールなどの熱源として利用する方法です。つまり、新しい製品にしたり、原料として生まれ変わらせるのではなく、燃やしてしまっているのです。
海外の多くの国では、このようにプラスチックゴミを燃やして熱回収する方法を「リサイクル」とはみなしていません。国際的な基準に照らし合わせた場合、日本のリサイクル率(87%)はかなり低くなるといわれています。
どうでしょう? 「リサイクル率87%!」と聞いたときに思い起こす「環境先進国・日本」のイメージと実態はかけ離れていますよね。
プラスチックを生まれ変わらせる方法のリサイクルの割合を増やしていくことも大切です。でもまずは、「ゴミ」になるプラスチックの使用を減らす努力が必要です。
みなさんはゴミ削減のキーワード「3R」を聞いたことがあるでしょうか。Rから始まる3つの言葉、①リデュース(削減)、②リユース(再利用)、③リサイクル(再生利用)のことを指しますが、大切なのはその順番です。言葉の並び順が、優先順位を表しているんです。リサイクルは最終手段。
まずはリデュースから心がけましょう!
※掲載されている情報は2024年2月現在のものです。
(参考)
・プラスチックリサイクルの基礎知識2023(一般社団法人プラスチック循環利用協会、2023年)
・プラスチック・リサイクル 発展編(一般社団法人 プラスチック循環利用協会)